ALC外壁を塗装する場合の費用相場をチェック!工事金額を安くするポイントも知ろう

2021/02/10
外壁 ALC

あなたはどんな外壁のお宅にお住まいですか?日本にはさまざまな種類の外壁の住宅があります。その中でも、ALC板は耐久性や耐火性が高いため、近年人気の外壁材です。

ALC板の外壁も、ほかの種類の外壁材と同様に、定期的な塗装メンテナンスが必要です。
では、塗装する際、一体いくらくらいのメンテナンス費用がかかるのでしょうか? この記事では、ALC塗装工事の工程や塗料の種類、さらに価格を抑えるポイントまでを「費用」に着目して解説します。

「ALC外壁の家では、どれくらいのスパンで、いくらくらいの塗装費用がかかるのか知りたい。」
「ALC外壁の家に住みたいが、維持費用がどのくらいかかるかわからない。」
こんな疑問をお持ちのあなたは、ぜひ最後までこの記事をご覧ください。

ALC外壁の塗装ってどんな作業をするの?

ポイント

ALCの塗装の流れは、一般的な外壁塗装とほとんど同じ作業となります。
まず、ALCとは、発泡剤によって発生した気泡を含ませた軽量コンクリートのことです。板状にした建材はALC板と呼ばれています。一般住宅の外壁に使われるALCは、旭化成建材のへーベルパワーボードが代表的な商品です。

耐久性のあるALCですが、表面の塗膜や継ぎ目のシーリング(目地)に定期的な塗り替えが必要です。では、ALC外壁の塗装はどのように進めていくのでしょうか?塗装工程や費用について解説していきます。
※ シーリング:外壁同士の間や、窓サッシ周りの隙間を埋める樹脂系の材料のことです。

ALC外壁塗装の工程について

天候や外壁の大きさにもよりますが、平均的な戸建住宅の場合は、10日〜2週間程度の工期が必要です。基本的なALC外壁の塗装工事は、次のように進みます。

現地調査

ALC板や継ぎ目シーリングの状態を細かく調査して、適切な塗料を選択します。また、換気口の交換など付帯工事が必要かも判断します。

足場や養生の設置

足場を設置して、塗料の飛散防止のためのシートを張ります。
安心して塗装作業するためにも、足場と養生の設置は重要な工程となります。

大きな亀裂などの補修

ALC板に、大きな亀裂や爆裂がある場合には、専用の補修材や樹脂モルタルなどで補修します。爆裂とは、ひびから侵入した水で中の鉄筋が錆びて、膨張することでALC板を押し上げて一部が欠損する現象のことです。
外壁塗装をきれいに仕上げるためには、塗装面と塗料の密着度を上げるためにも下地補修と調整は丁寧に行わなければなりません。

高圧洗浄

外壁全体に150kgもの圧力をかけた水を噴射して、表面の汚れやコケ、藻を洗い流します。高圧洗浄をすると、外壁を洗浄するだけでなく、軽微な雨漏りも見つけられるので、後の工程でしっかりと対策したり補修したりできます。

シーリング(コーキング)の補充や取り替え

ALC板の継ぎ目には、シーリングという弾力性を持つ充填剤が注入されています。シーリングは、外壁の継ぎ目の防水性や伸縮性を高めるのです。
雨漏り予防と、地震の際にALC板に衝撃を伝えない役割があります。

しかし、シーリングは紫外線や雨風によって、弾力性を失いひび割れてきます。塗装工事と同時に、傷んだシーリングは上から補充したり取り替えたりします。

下塗り

汚れを落とした外壁に、下塗り材を塗ります。下塗り材には、シーラーやフィラーの2種類があり、外壁材の状態に合わせて使用するタイプを選びます。
シーラーとは、下地を強化して仕上げ塗料の密着性を高めるための塗料です。フィラーとは、下地を調整するための塗料です。外壁の劣化状態がひどい場合、シーラーをまず塗り、上からフィラーを重ねて耐久性を高めます。

中塗り・上塗り

仕上げ塗料を中塗りと上塗りで2回重ね塗りします。二回塗りをすると、塗り漏れや塗りムラがなくなり、耐久性のあるきれいな塗膜に仕上がります。

完了検査

全ての工程が終了したら、再度細かく施工範囲を調査して、問題がないかチェックします。必要であれば、補修工事を行います。

足場や養生の撤去と清掃

足場やシート養生を撤去します。施工箇所の周りを清掃して、工事完了となります。

上記の工程を経て、ALC外壁の塗装は完了します。

ALC外壁の塗装をする場合の工事費用は?

ローン

ALC外壁塗装の工事にはどのくらいの費用がかかるのか、以下にて解説していきましょう。
費用総額の目安や、工程ごとの内訳費用について、それぞれ一覧で紹介します。

ALC外壁の塗装にかかる費用総額の目安は?

外壁塗装は、使用する仕上げ塗料によって費用が変わります。
以下にて、塗料別にかかる費用相場を一覧表にしてまとめました。

表1


※ALC造30坪2階建(外壁面積150〜180㎡程度)の場合の概算です。(足場・シーリング工事などの基本費用含む)
上記の表のように、塗料によって工事の概算費用は大きく変わります。
ご予算に応じて、塗料を選択する必要があります。

工程ごとにかかる費用の目安は?

外壁塗装の工程ごとの内訳費用について、それぞれの目安を紹介します。
施工業者から提出された見積書と照らし合わせてみてください。

表2

上記のほかに、下記の付帯(オプション)費用が別途かかる場合があります。
・ ALC板の補修や取替え
・ 雨戸塗装
・ 霧よけ(開口部上の庇)周りの塗装
・ 換気口の塗装
・ 廃棄物処理
・ 交通費や駐車料金などの諸経費

霧(きり)よけ、または庇(ひさし)とは、窓や玄関の上に設置されている小さな屋根のことです。
表に記載した基本工事と、形状や劣化度合いにより発生する付帯工事の合計が、工事費用の総額です。

ALC外壁の塗装費用が変動する要素とは?

住宅ローン4

ALC外壁の塗装費用が変動する大きな要素は、使用する塗料の違いです。
それぞれの塗料にはどのような違いがあるのか、特徴を解説していきます。

ALC塗装に使う塗料の種類は?

ALCの外壁塗装には、安価なウレタン塗料や、コストパフォーマンスのいいシリコン系塗料を使うことが一般的です。それぞれの塗料の特徴やメリット、デメリットを詳しく解説していきます。

ウレタン系塗料

ウレタン系塗料は、ALC外壁塗装に使われる塗料の中でも最も安価な塗料です。以前はウレタン塗料が外壁用塗料の主流でしたが、グレードの高い塗料の値段が下がってきたため、使用されるケースは少なくなっています。
耐久性は低いですが、安価で汎用性もあるため、とにかくコストを抑えたい場合におすすめの塗料です。

シリコン系塗料

近年、シリコン系塗料はウレタン系塗料に代わって、ALC外壁塗装の際の主流になりつつあります。価格と耐久性のバランスが良く、コストパフォーマンスに優れているためです。耐久性だけではなく、耐水性や耐候性(耐紫外線)の機能も兼ね備えています。

特に目立ったデメリットはありませんが、フッ素系塗料や無機塗料と比べると、耐久性は劣ります。

フッ素系塗料

フッ素系樹脂は耐久性に非常に優れた塗料です。しかし、弾力性が低いためシーリングの上に塗装すると弾力に追従できずに、ひび割れてしまいます。また、一度フッ素樹脂系塗料で塗装すると、上からほかの塗料での塗り替えはできなくなります。フッ素系塗料を選ぶ場合は慎重に検討しましょう。

無機塗料

無機塗料には、石やガラスなどが含まれているため、フッ素系塗料よりもさらに耐久性が高いです。また、変色もしにくく汚れもつきにくいので、塗膜(塗装膜)を長年きれいに保てます。ただし、木部やシーリング部分などの収縮する部分には、ひび割れてしまうためで塗装できません。無機質の含有量によっても、塗装できる場所が変わるので、都度、確認が必要です。

それぞれ塗料のグレードは?

ALC外壁塗装に使う塗料の中では、無機塗料が一番グレードが高く、ウレタン系塗料が一番低くなります。
一般的は、費用が高い塗料は耐久性が高いです。
以下は、塗料別のグレードについてわかりやすく図で表しました。

表3

※無機塗料:原料に石やガラスなどの無機物を含んだ塗料で、耐久性が非常に高く公共施設などで使われます。
求める耐用年数によって、塗料を選択必要があります。

塗料以外にも値段に影響するポイントは?

塗料の種類以外に値段に影響するポイントは、住宅の立地条件です。
住宅のどのような立地条件で工事の値段が影響を受けるのか、詳しく解説していきます。

面積が少ない方が施工費は割高に

外壁塗装では、面積が少ないほど平方メートル当たりの単価は高くなる場合があります。外壁塗装の工事費は、内訳を工事ごとに平方メートル当たりの単価で表記することが多いです。しかし、単価はあくまでもある程度の工事面積がある場合に適応します。例えば、外壁の一部だけを塗装するようなケースでは、単純に工事範囲(平方メートル)に単価をかけるのではなく、特別料金がかかることもあります。
外壁の一部だけの塗装でも、足場の設置や養生、高圧洗浄の費用はかかります。塗装面積は少なくても、塗料と施工費、諸経費を合わせると、割高になってしまう場合があることを覚えておきましょう。
また、外壁の一部分だけを塗装したい場合の値段は、都度、施工業者によく相談しましょう。

住宅密集地での工事ではコストが上がる

住宅密集地では、足場や塗料などの資材を運ぶ距離が長くなるため、工事費の値段が上がってしまう場合があります。住宅密集地だと、現場の前までトラックが入れない場合があるからです。また、現場に作業車の駐車スペースがないと、駐車料金が別途かかります。着工前に、施工業者に諸経費について確認しましょう。

ALC外壁の塗装費用を安くするポイント

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ALC外壁の塗装費用を安くするポイントは、主に3つあります。外壁塗装では、塗料のグレードや現場の状況によって、工事の値段は上下します。では、工事の値段を安くしたい場合に、具体的に何をすればよいでしょうか?ここでは、塗装費用を安くするポイントを3つ紹介します。

塗装専門の施工業者に直接依頼する

塗装業者に直接依頼をすると、諸経費を最小限に抑えられるので、値段を安くできます。外壁塗装を依頼する場合、リフォーム会社と塗装業者の二種類の施工業者のどちらかに相談することが一般的です。リフォーム会社に依頼した場合、塗装を行うのは下請けの塗装業者です。そのため、中間マージンがかかり諸経費に追加されてしまいます。

ただし、外壁塗装と合わせて室内工事やエクステリア工事など、ほかの工事を行いたい場合は、総合力のあるリフォーム会社に依頼するのもおすすめです。

シンプルで安価な塗料を使う

工事費用を安くしたい場合には、塗装は安価な塗料を指定しましょう。ただし、安価な塗料はほかのタイプと比べると耐久性は劣ります。住宅の外壁をどのくらいきれいに維持したいか長期的に考えて、塗料を選ぶ必要があります。

劣化がひどくならないうちにメンテナンスする

外壁の劣化が進むと、工事費が上がってしまうため早めにメンテナンスするようにしましょう。劣化がひどくなると、補修工事の箇所や手間が増えてしまうためです。外壁塗装にはまとまった費用がかかるため、塗り替えまでにできるだけ長い期間を空けたくなります。しかし、外壁の劣化が進んだ場合、早めにメンテナンスをしながら、家の寿命を延ばして将来的にかかる工事費用を抑えましょう。

ALCを塗装した場合の維持費の目安

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ALC外壁を塗装した場合の、維持費は、メンテナンス方法によって異なります。せっかく外壁塗装をしても、適切な時期に正しい方法でお手入れをしなければ、劣化スピードが速まります。以下では、ALCを塗装した場合の維持費やメンテナンス時期について紹介します。

高圧洗浄のみの場合

塗装後も、外壁は定期的に高圧洗浄してきれいにしておきましょう。せっかく外壁を塗装しても、月日が経つと汚れやコケ、藻が表面に発生します。雨垂れなどの汚れは、外観が汚い印象になり、建物の価値を下げます。また、表面のコケや藻は湿気を留めてしまい、雨漏りの原因となるため、除去しなくてはなりません。

塗料の耐用年数に満たなくても、広範囲で汚れやコケ、藻を見つけたら、高圧洗浄しましょう。

表8


※ALC造30坪2階建(外壁面積150〜180㎡程度)の場合の概算です。(足場・シーリング工事などの基本費用含む)

塗装の場合

紫外線や雨風が当たりやすい外壁は、塗料の耐用年数を待たずに劣化しやすくなります。高価な塗料には20年以上の耐久年数がありますが、ウレタン系塗料の耐用年数は7〜10年程度です。
ALC外壁の塗装をした後、7〜10年程度で一度、施工業者に外壁の表面を細かく調査してもらいましょう。また、必要であれば再塗装しましょう。

表5

※ALC造30坪2階建(外壁面積150〜180㎡程度)の場合の概算です。(足場・シーリング工事などの基本費用含む)

張り替えの場合

塗装メンテナンスを怠ると、ALC外壁は20年程度で表面がボロボロと崩れてきてしまいます。ALC板の耐用年数は60年程度ですが、あくまでも表面を定期的に塗り替えていることが前提です。表面が劣化したALC板は張り替えをしなくてはいけません。

工期は、塗装工事よりも長く、2週間以上かかります。

表6
表7


※ALC造30坪2階建(外壁面積150〜180㎡程度)の場合の概算です。(足場・シーリング工事などの基本費用含む)

コストや工期などの負担を考えると、定期的に塗装をする方が、ALC外壁の維持のランニングコストを抑えられます。

ALCの外壁を塗装する費用は100万円が目安!

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30坪程度の住宅のALCの外壁塗装を維持するために想定しておくべき費用は、ずばり100万円程度です!
塗料や施工内容などにより価格は多少変わりますが、100万円程度を想定しておくと、外壁全体の塗装も安心して行えるでしょう。また、10年前後に一度、100万円程度のリフォーム資金を用意して、外壁の表面をきれいに保つためのメンテナンスを行いましょう。きちんとメンテナンスを行うことで、ALCの特徴である「耐久性」を十分に活かせられます。

ALC外壁の住宅にお住まいの方は、特性や機能性を活かすためにも、計画的に外壁メンテナンスを検討してください!

外壁塗装についてさらに詳しく知りたい場合は外壁塗装の疑問を元プロがすべて解消!費用や種類から、色、助成金、DIYまでもご覧ください。

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外壁塗装の専門家

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塗装技能士の国家資格を持ち、老舗の塗装会社で職人をしていた元プロが監修しているサイトです

高度な技術を学ぶ訓練校にも通い、専門書籍を数多く読んでいます

外壁塗装や防水の実務経験者のほか、宅建資格所持者といった有資格者などが記事を書いており、信頼性が高い情報発信サイトを目指しています