窯業系サイディングの塗装時期や適した塗料・費用相場まで徹底解説!

シーリングひび割れ

「窯業系サイディングの塗装の時期はどれくらいが目安なの?」
「窯業系サイディングの塗装を依頼したときの費用相場を知りたい」

このような疑問を持ってはいないでしょうか。
窯業系サイディングの塗装の時期や、相場について知識がないまま業者に相談すると、不要な工事を高額ですすめられてもわかりません。

この記事では、窯業系サイディングの塗装について、以下の内容を解説していきます。

・窯業系サイディングの塗装が必要な理由
・窯業系サイディングを塗装する時期の目安や劣化の度合い
・窯業系サイディングに適した塗料の選び方
・窯業系サイディングの塗り替え費用
・窯業系サイディングの塗装工事の流れ
・窯業系サイディングの塗装業者を選ぶ5つのポイント

窯業系サイディングの塗り替えを依頼する前に、記事を読んで内容をよく理解することで、塗装の失敗を避けやすくなるでしょう。

窯業系サイディングに塗装が必要な理由

チョーキング1

窯業系サイディングに定期的な塗装が必要とされている主な理由は、防水性の維持と劣化予防のためです。

窯業系サイディングは、セメントと繊維質からできています。
セメントは、水を弾くと思っている人が多くいます。
しかし、実はセメントそのものには防水性がありません。

窯業系サイディングの防水性を保っているのは、サイディングの表面に塗られた塗料です。
塗料が劣化して防水性が落ちてしまうと、サイディングそのものが劣化してしまいます。
サイディングの防水機能が落ちると、外壁内部まで水が入り込み、建物自体が劣化してしまうことにもなりかねません。

窯業系サイディングの塗装は、壁だけではなく、家そのものを守るためにも必要なのです。

窯業系サイディングを塗装する時期の目安や劣化の度合い

ブリード現象

窯業系サイディングを塗装する時期の目安や、塗り替えが必要となる劣化の度合いを紹介します。
窯業系サイディングを塗装する時期はどのように見極めればよいのか?
このような疑問をお持ちの方は、ぜひチェックしてみてください。

窯業系サイディングの塗装は10年が目安

窯業系サイディングの塗装は、10年を目安に実施するといいとされています。
それは、窯業系サイディングに塗られている塗料の耐用年数が、10年前後であることが多いためです。

塗料の耐用年数が過ぎてしまうと劣化が進み、サイディングの素材そのものに水がしみ込んでしまいます。
外壁に水がしみ込んでしまうと雨漏りを引き起こす原因となるため、新築後、または前回の塗装から10年ほどで塗り替えるようにしましょう。

窯業系サイディングは、塗料の耐用年数である10年前後に、塗り直すのが基本です。

劣化症状が出ていたら早めに塗装が必要

窯業系サイディングは、塗料の耐用年数の10年前後で塗り直すことが基本とされていますが、劣化症状が出ている場合は早めの塗装が必要です。

塗装が必要になる、窯業系サイディングの劣化症状を紹介します。

色あせや変色

窯業系サイディングに、色あせや変色が見られる場合は、塗装が劣化しているサインです。
塗料は紫外線の影響を長く受けることで、含まれている顔料が分解されてしまい、色あせが発生します。

壁の色が以前よりも薄く変色している、雨で濡れると色が濃くなるようなら、塗料が劣化している証拠です。
塗料の耐用年数を待たずに、塗装を検討しましょう。

チョーキング現象

塗料の劣化により色あせが進むと、手で壁に触れたときにチョークの粉のようなものがつく「チョーキング現象」が発生します。

チョーキング現象は、塗料に含まれる顔料の分解が進んでいる証拠です。
塗装の効果が落ちて窯業系サイディングそのものが劣化する前に、塗り直しをおすすめします。

カビやコケ

窯業系サイディングにカビやコケが繁殖している場合も、塗装の効果が落ちているサインです。

カビやコケは生きていくために水分を必要としているので、外壁の表面が乾燥していると繁殖できません。
窯業系サイディングにカビやコケが発生しているということは、塗装が劣化して防水機能が落ちている証拠です。

また、外壁用塗料には「防カビ剤」が配合されていることが多いです。
そのため、カビが発生していると、塗料の効果が切れ始めていることがわかります。
窯業系サイディングにカビやコケが発生していることを確認したら、塗装業者に相談するようにしましょう。

塗膜のヒビや浮き、剥離(はがれ)

塗膜のヒビや浮き、剥離が発生しているときも、塗装が劣化していると判断できます。
塗膜とは、外壁に塗った塗料が乾燥して固まり、膜状になった状態のことです。

窯業系サイディングは、塗膜によって防水機能を保っているので、表面にヒビが入っていると水が侵入して劣化が進んでしまいます。
塗膜が浮いたり剥がれたりしているときも、サイディング本体に塗装が密着していない証拠です。

塗膜のヒビや浮き、剥離は、経年劣化で発生します。
もし、塗装から3年以内に症状が出た場合は、施工不良の可能性があります。
塗装を依頼した業者に、相談するようにしてください。

窯業系サイディングそのものの劣化は塗装では修復不可能

窯業系サイディングの素材そのものが劣化しているケースでは、塗装では修復できません。
外壁にヒビが入っている、割れたり欠けたりしているときには、たとえ塗装を施しても、サイディング自体が壁としての機能を取り戻すことはないのです。

窯業系サイディングの耐用年数は、約40年といわれています
しかし、適切なメンテナンスを施していなければ、もっと短い期間で劣化することもあります。

サイディングそのものが劣化している場合には、部分補修や全面張り替え、カバー工法などを検討するようにしてください。

塗り替え時期や劣化状況はプロに見極めを依頼する

窯業系サイディングの塗り替え時期や劣化状況は、プロに見極めを依頼するようにしましょう。

外壁の劣化はある日突然発生するのではなく、日々少しずつ進行するため、なかなか気がつきません。
「まだ大丈夫だろう」と素人判断してしまうと、塗り直しの時期を逃してしまう可能性があります。

劣化が進んでしまうと手遅れになり、塗り直しではなく張り替えが必要になってしまうかもしれません。
外壁塗装は劣化が進む前に塗り直しをすることが、結果的に長持ちさせるコツなのです。

外壁の塗り直しが必要かどうかは、素人には判断が難しいものです。
塗料の耐用年数である10年を待たず、7年過ぎたあたりから、業者に定期的な点検を依頼することがおすすめです。

窯業系サイディングに適した塗料の選び方

中塗りと上塗り

窯業系サイディングに使える塗料は、多くの種類があります。
使用する塗料は、グレードと耐用年数から選ぶことがおすすめです。
窯業系サイディングに使える塗料の種類と、耐用年数などを紹介します。

塗料の種類と耐用年数

窯業系サイディングに使える塗料には、以下の5種類があります。

・アクリル塗料
・ウレタン塗料
・シリコン塗料
・ラジカル塗料
・フッ素塗料

それぞれの耐用年数と平米単価、特徴を一覧表にまとめましたので、まずは確認しておきましょう。

表01

アクリル塗料は耐用年数が短いです。
そのため、5年以内に解体する建物を塗装する、または短期でさまざまな色に塗り替えたいといった用途以外では、あまりおすすめできません。

そうでなければ、窯業系サイディングの塗装には、ウレタン塗料より上のグレードを選ぶようにしましょう。

既存の色や柄を活かすならクリア塗装

窯業系サイディングは、塗料の種類と色を選んで単色で仕上げることが一般的ですが、既存のデザインを残せるクリア塗装もおすすめです。
窯業系サイディングの既存の色や柄を活かすなら、クリア塗装を選ぶこともひとつの方法であることを覚えておきましょう。

クリア塗装のメリット

クリア塗装のメリットは、既存の窯業系サイディングのデザインが気に入っている場合、模様を消すことなくそのまま活かせることです。

窯業系サイディングは、石柄やタイル、レンガ柄など色や柄が豊富なことが特徴です。
しかし、外壁塗装をすると、単色で塗りつぶしてしまうため、もとの柄は消えてしまいます。
その点クリア塗装なら、今のデザインをそのまま残して、光沢を出すように仕上げることが可能です。

クリア塗装は下塗りが不要になることから、工期短縮や費用を抑えられる可能性があることもメリットです。
ただし、窯業系サイディングの劣化状況によっては、クリア塗装を何度か重ね塗りする必要があります。
クリア塗装であれば、必ずしも安くなるわけではない点には注意しておきましょう。

クリア塗装のデメリット

今のデザインが活かせる、コストが安くなる可能性があるなどメリットの多いクリア塗装ですが、早めの塗り替えが必要になるというデメリットもあります。

クリア塗装は、外壁の劣化症状が出る前の早い時期に塗装が必要となるので、塗装回数が増えることが予測できます。
特に、チョーキング現象が発生するほど劣化が進んでいる場合には、クリア塗装はできません。

また、光触媒やフッ素などの特殊塗料が塗装されているケースでも、塗膜が剥がれる可能性が高いことから、クリア塗装は避けるほうが無難です。

塗料はメンテナンスコストも考えて選ぶ

塗料を選ぶときには、一回の塗り替え費用だけではなく、最終的なメンテナンスコストを考えて選ぶことが大切です。

安い塗料を選ぶと、一回にかかる塗り替えコストは抑えられます。
しかし、耐用年数が短いので、塗り替えの回数が増えてしまいます。
対して高い塗料を選ぶと、一回の費用は高くなる反面、耐用年数が長いため塗り替え回数は少なくて済みます。

長い目で見た場合、耐用年数の長い塗料を選んだほうが、トータルコストは安くなることが多いです。
塗料を選ぶときには、最終的なメンテナンスコストを考えて選ぶことがおすすめです。

20年程度のライフプランも含めて考える

塗料を選ぶときには、20年程度のライフプランも含めて考えることもポイントです。

たとえば、これから出産や子どもの大学進学などで大きな出費が続くなら、今回は安い塗料でコストを抑える選択をしても良いでしょう。
余裕があるときにはグレードを上げておけば、次のメンテナンス時期を先に延ばすことが可能です。

塗料の選択結果は、塗装工事費に直結します。
現在の経済状況や、この先20年程度でどのような出費があるか、大まかなライフプランと平行して塗料はどれにするか考えることがおすすめです。

窯業系サイディングの塗り替え費用

住宅ローン4

窯業系サイディングを塗り替えるときに、どれくらいの費用がかかるかを紹介します。

費用相場は、どの塗料を選ぶのかにより上下するため、一概にいくらとははっきりとした金額はいえません。
大まかな費用相場を知っておくだけでも、見積もりをもらったときの目安になるので参考にしてください。

40坪のサイディング住宅の外壁を塗装する費用相場は80~150万円

平均的な40坪のサイディング住宅の外壁を塗装する費用は、80~150万円が相場です。

窯業系サイディングの外壁塗装は、DIYで実施することも不可能ではありません。
DIYで塗装すれば、塗料代だけで済むので業者に依頼するより安くつきます。

しかし、自分で塗装する場合には、劣化状況の見落としや高所作業による落下の危険など、さまざまな不安がつきまといます。
窯業系サイディングの塗装は、塗装業者に依頼するほうが無難です。

窯業系サイディングの外壁塗装費用の詳細は、「40坪でサイディング外壁を塗装する費用相場は80〜150万円だ!」の記事を確認してください。

屋根塗装と同時施工すると安くつく

窯業系サイディングの外壁塗装は、屋根と同時に実施するとコストを安く抑えられます。

外壁塗装も屋根塗装も、高所作業となるので、安全に作業するために足場を組むことが必要です。
別の時期に工事を行うと、それぞれに足場代がかかってしまいますが、同時に行うと1回分の費用で済みます。

窯業系サイディングを塗装するときには、屋根の劣化状況も合わせてチェックして、同時に工事できないか検討するようにしましょう。

窯業系サイディングの塗装工事の流れ

窯業系サイディング塗装がどのように行われるのか、工事の流れも確認しておきましょう。

窯業系サイディングの外壁塗装の工事例

表02

上記が一般的な外壁塗装の工程です。
ただし、外壁の劣化状況や、天候により工事にかかる日数は変わるので、場合によっては10日から2週間ほどかかることもあるでしょう。

窯業系サイディングの塗装業者を選ぶ5つのポイント

悪徳業者

窯業系サイディングの塗装を依頼する業者を選ぶときの、見極めポイントを5つ紹介します。
外壁塗装は高額な費用が発生するので、工事の失敗を防ぐためにも、業者は慎重に選ぶようにしましょう。

相見積もりを取る

業者を選ぶときには、必ず相見積もりを取るようにしましょう。
相見積もりとは、複数の業者に同内容で見積もりを取って、費用や工事内容を比べる方法です。

同じ内容であっても、業者が出す見積もりはさまざまです。
見積もりを見比べたとき、費用が不自然に高い、あるいは安い業者は要注意です。

特に他社とかけはなれて安価な見積もりを出す業者は、あとから次々と追加費用を請求してくる恐れがあるため、依頼は避けることをおすすめします。

詳しい見積もりをくれる業者を選ぶ

見積もりの内容が、詳しく書かれている業者を選ぶことも大切です。
見積書に、「工事一式」ではなく、1平米あたりの単価や作業面積などが記載されている業者を選びましょう。

塗料のメーカーや商品名まで記載しているか確認して、作業面積に対して適切な量が見積もられているかまでチェックすると安心です。
見積もりに不明点があるときに、明確に答えてくれるかでも業者の善し悪しを判断できます。

自社施工している地元の塗装業者から選ぶ

窯業系サイディングの外壁塗装を依頼するときには、自社施工している地元の塗装業者から選ぶことがおすすめです。

大手のハウスメーカーやゼネコンは、知名度があるため工事を依頼する際には安心感があります。
しかし、大手は下請けに施工を依頼することが多いため、中間マージンが発生することがデメリットです。
対して、自社施工している地元の業者なら、直接契約となるので中間マージンが発生せず、同じ内容でも工事費が安くつきます。

現場で働いているのも自社の職人であるため、直接指示を出せることもメリットです。
大手の下請けに入っている業者が施工する場合、元請けのハウスメーカーやゼネコンの担当者に工事内容の確認を逐一取る必要があります。
スムーズに工事が進まないこともあるため、工期が延びる恐れもあるでしょう。

また、万が一工事中に不具合が発生したときも、地元業者ならすぐに駆けつけてもらえます。

施工実績を公開している業者を選ぶ

窯業系サイディングの外壁塗装の業者を選ぶときには、施工実績をホームページや工事の相談時に公開しているかも確認しましょう。

外壁塗装業者のなかには、「施工実績1000件!」とうたいながら、実績事例がまったく掲載されていない会社もあります。
事例が確認できない場合、本当に実績があるのか疑わしいですし、工事内容に自信がない可能性もあります。

また、工事の様子をホームページに掲載するためには、施主の掲載許可も必要です。
施主が写真の掲載を許可したということは、工事期間中に業者と信頼関係が構築できたことも推察できます。
施主とも良好な関係が築ける、優良業者といえるでしょう。

アフターサービスが適切かをチェックする

塗装業者のホームページで、どのようなアフターサービスを提供しているかを確認することも大切です。

外壁塗装のアフターサービスは、自社保証をつける業者が多いです。
しかし、塗料の耐用年数を大幅に超えるほどの長期の保証期間を設けている場合は不自然です。
サービスのよさを売り文句に、契約を促すためだけの、見せかけの保証の可能性があります。

また、自社保証の場合、実際には免責事由が多く、大したアフターサービスは受けられないかもしれません。
外壁塗装は10年と長いスパンでのメンテナンスが必要となるため、アフターサービスの内容は詳しくチェックしておきましょう。

窯業系サイディングの塗装は適切なタイミングで業者に依頼しよう

窯業系サイディングの塗装は、適切なタイミングで業者に依頼することが大切です。

一般的には、塗料の耐用年数である10年を目安に塗り替えます。
しかし、劣化が見られる場合には、10年を待たずに塗り直す必要があります。
塗り直しのタイミングを見誤ると、塗装では外壁としての機能を修復できず、窯業系サイディングを張り替えなければならない可能性があるため注意が必要です。

また、窯業系サイディングの塗装費用は、塗料の種類によって変わります。
長期的なメンテナンスコストや、今後のライフプランと照らし合わせて、適切な塗料を選びましょう。

最後に、外壁塗装の業者を選ぶときには、相見積もりを取ったうえで、自社施工をしている地元の業者を選ぶと悪徳業者にひっかかる可能性を減らせます。

もしサイディング外壁の費用相場を具体的に知りたい場合は40坪でサイディング外壁を塗装する費用相場は80〜150万円だ!もぜひご覧ください。