「家の外壁をなにげなく見ていたら大きなひび割れが……」
ひび割れを見つけるとショックだし、なにもりも「大丈夫かな?」と心配になってしまいますよね。
ひび割れの原因は、家の構造や家具の配置により負荷が大きくかかっていることです。
負荷のかかる時間が長いほど割れが大きくなりやすいので、放置すると雨漏りや外壁の劣化に繋がります。
他にも塗装が古くなることで収縮して引っ張り合うこともひび割れの原因となります。
外壁の下地部分に雨水が直接あたることで劣化が進み、ひびが深刻になることもあるでしょう。
ひび割れの補修をしないと以下のデメリットがあります。
- ひびが広がって修復費用が高くなる
- 家の内部への浸水で、柱の腐食、電気のショートがおこる
- 見栄えが悪くなり、防犯上や精神衛生上に悪影響
この記事では、外壁のひび割れ補修にかかる費用を安くする裏ワザを紹介しています。
あわせて「ひび割れの種類」についても説明しているので、ぜひ参考にして外壁をチェックしてみてください。
外壁のひび割れ補修費用の相場は15~150万円!

外壁のひび割れ補修にかかる費用は、「15~150万円」とかなりの差があります。
部分補修か、全体補修かで費用の違いが生まれるのです。
- 部分補修=ひび割れだけを補修する施工
- 全体補修=家の外壁全体を補修する施工
全体補修は、ひび割れ(クラック)修理だけではなく防水や塗装工事をおこなって家を美しく長持ちさせます。
部分補修も全体補修も、外壁の高いところでの作業がしやすいように足場を組み立てます。
足場は、鉄パイプで外壁まわりに作られた枠組みのことです。
部分補修と全体補修は、どちらも足場を建てて補修をします。
複数の部分を補修する場合は2度手間にならないように全体補修をおすすめします。
外壁に起こるひび割れの種類と補修費用

外壁の補修費用は、40坪の一軒家で15~20万円程度です。
補修自体は平均で3~4万円程度ですが、足場代として10~15万円が必要なため工事費は高くなります。
ひび割れは深刻度によって、以下の2つにわかれます。
- チェッキング
- ヘアークラック
- クラック
1の症状が最も軽く、3の症状が最も重いです。
ひび割れ以外には、塗装のハガレや、外壁の欠けなどがあり、すべてを含めて外壁を補修します。
ひび割れにより塗膜が浮いてしまったり、ひび割れが進んで欠損になったりするので、早めにひび割れを直すことが大切です。
早めの対処は家を長持ちさせるためにも、費用を安くするためにもなります。
以下ではひび割れの詳細を説明します。
1.チェッキング
塗膜の表面にひび割れが入っている状態です。
ひび割れ部分に塗装を重ね塗りしたり、シーリング材を詰めたりして隙間を埋めます。

2.ヘアークラック

塗膜が割れているものの、下地にまではひび割れが進んでいない状態です。
チェッキング同様の処理のほか、セメントの様な材料をひび割れに塗ることで隙間を埋める作業も考えられます。
チェッキングでの補修が理想ではありますが、ヘアークラックまでなら外壁へのダメージは深刻ではありません。

3.クラック

外壁の下地にまでひび割れが進んでいる状態です。
クラックの状態になると、ひび割れから雨水が家の中に入りはじめます。
症状が進むと以下のことが考えられるので、早めの対処が必要です。
- ひび割れが広がって修復に高額な費用がかかる
- 家の内部への浸水で、柱の腐食、電気のショートがおこる
- 見栄えが悪くなって防犯上や精神衛生的に悪影響がある
補修方法は、刷り込み工法のほか、Uカット工法が考えられます。
Uカット工法は、以下の工程で施工します。
- クラック幅を広げて均一にする
- 広げたクラックの表面をシーリングで防水 or クラックをシーリングで埋める
- 表面だけシーリングした場合は、セメント系材料でクラックを埋める
費用が高くなるため、クラックになる前に発見して補修するようにしましょう。

ひび割れだけを対処するなら刷り込み工法やUカット工法で解決しますが、外壁がツギハギだらけに見えてしまいます。
クラックが入っていない塗装面も劣化が進んでいるケースが多いです。直した場所以外からすぐにクラックが発生していくことも考えられます。
クラックを見つけたら、外見だけの補修ではなく内部を補修して外壁全体を塗装で塗りなおすことがオススメです。
ひび割れといった下地補修を含めた外壁塗装の費用相場は、40坪の一軒家で80~150万円程度です。
価格は高くなりますが、長期的な外壁の保護を考えると、しばらく補修が必要なくなるためコストパフォーマンスは高いでしょう。
外壁のひび割れ補修費用を安くする4つの裏技

費用を安く抑えるための4つの裏技は以下のものです。
- DIYでひび割れを補修する
- 自治体の助成金や補助金を利用する
- 自社施工の会社に補修を依頼する
- 悪徳業者に補修工事を依頼しないようにする
以下では、悪徳業者に引っかからないためのポイントと、悪徳業者の見抜き方を説明していきます。
DIYでひび割れを補修する

小さいひび割れなら、DIYで補修をすればコストを抑えられておトクです。
しかし、ひび割れの見落としや、間違った補修、不完全な補修、危険作業でのケガなどが考えられます。
足場がない状態での施工となると作業効率が下がるため工期も延びるでしょう。
一番のデメリットは、慣れない高所作業だと命を落とす可能性があるほどに危険だということです。
間違った補修や不完全な補修では、家の深刻な問題を解決できないケースが多いです。
また、十分な補修をするためには高度な技術が必要なため、素人が作業をすると材料を無駄にして余計な費用がかかってしまうおそれもあります。
確実性を求めるならDIYよりも業者に依頼したほうがよいでしょう。
自治体の助成金や補助金を利用する

自治体によっては補助金や助成金を出してくれます。
あなたの住んでいる地域のホームページを調べたり、役所の窓口または電話で問い合わせたりしてみましょう。
助成金と補助金はどちらも返済する必要はありませんが、両者には大きな違いがあります。
- 補助金=期間限定で公募していて、申請後も審査が必要
- 助成金=条件を満たせば支給してもらえる
補助金は条件を満たしさえすれば受け取れますが、時期によって適用条件が変わるため最新情報を調べておくことをオススメします。
自治体が給付している補助金や助成金の例も紹介しましょう。
2019年9月現在、八王子市では以下の改修工事において補助金が出ます。
「長寿命化改修工事とは?」や「木造住宅耐震改修工事と、木造住宅簡易耐震改修工事の違いとは?」など疑問も出ることでしょう。
外壁のクラックがどの項目に当てはまるのか、家のトラブルがどの改修工事に当てはまるのかは、各自治体によって異なることも考えられます。
気になる点は自治体に問い合わせて、詳細を聞くようにしましょう。
八王子市の場合、クラックの補修は「長寿命化改修工事」に該当し、限度額は以下となります。
- 支給額は工事費の20%以内
- 限度額は5万円
工事費が100万円の場合、最高で5万円がもらえます。
工事費の20%で計算すると20万円ですが、限度額を超えているので5万円を超えた金額は給付してもらえません。
また、工事費が10万円の場合だと最高給付額は工事費の20%である2万円で、限度額の5万円は受け取れません。
自社施工の会社に補修を依頼する

工事を依頼する時の会社選びのポイントを説明します。
「施工業者」と「仲介業者」の違いをご存知でしょうか?
- 施工業者=工事を実際に請け負う会社
- 仲介業者=施工業者に仕事を依頼する会社
施工業者は社内に職人がいて自社で工事をします。
仲介業者は施工業者に依頼するだけの会社です。ゼネコンや、ホームセンター、工務店などの職人が社内にほとんどいない会社が当てはまります。
施工業者が仲介業者も兼ねる場合もあります。
しかし、一軒家のような低層建築物を請け負う業者なら自社で施工する場合がほとんどでしょう。
仲介業者は施工業者への実務の依頼が前提なので、仲介料込みの金額で見積もりを出してきます。
このため、仲介業者に依頼すると施工業者に直接依頼するよりも金額が高くなります。
あなたは、大手に依頼すると安心だと思いませんか?
実はそうとも言い切れません。
大手に依頼しても、業者を探す手間が省けるくらいで施工の質や保障面で特筆するほどの違いはないのです。
では、費用を安くするために自社施工をしている業者を見つける方法を2つ紹介します。
- 自社ホームページで職人の紹介をしている業者
- 検索すると倉庫や資材置き場の住所が出てくる業者
ネットで「自治体名 外壁 補修」と検索をしてみましょう。
表示される業者の詳細をGoogleマップで調べてみて、倉庫や資材置き場のような広場が出てくれば施工業者だと考えられます。
建築業だとホームページがない会社も多いのでGoogleマップを利用した見つけかたが有効です。
悪徳業者に補修工事を依頼しないようにする

悪徳業者の手口の一例として以下の5点があげられます。
- 施工不良
- 必要な工程をはぶく
- 材料を取り替える
- 見積もりの内訳が不透明
- 見積もりが適正価格ではない
悪徳業者に依頼すると、まったく問題が解決されないまま施工が完了していたり、相場よりも高い金額を請求されたりと、お金を無駄にすることが考えられます。
他にも安くて質の悪い材料を、質の良い材料と偽装して材料代を高く設定することもあるでしょう。
見積額を高くしたり、必要な工程を抜くことで見積額を低くしたりする場合もあります。
悪徳業者を見抜くポイントは以下となります。
- 相見積もりをする
- 訪問営業の業者はさける
- 道具や車の清潔さを確認する
- あなたが悪徳業者を作っている?
1.相見積もりをする
相見積もりは複数業者から見積もりをもらうことです。
目的は適正な施工内容と見積もり金額を調べることにあります。
相見積もりだと業者に伝えることで足元を見るような真似をしにくくさせることができます。
また、適正範囲内での価格競争をさせることでコストを浮かせることも可能です。
依頼する業者を選んだら、他の業者には断りの連絡を入れることが暗黙のルールですので頭に入れておきましょう。
2.訪問営業はさける
訪問営業の業者は詐欺の可能性があります。
例を紹介しましょう。
無料で点検しに来た業者が、点検する際に屋根裏や点検口など見えないところで適当に何かをたたいて音を出して、問題があるフリをして施工をせまるケースがあります。
他にも、断られたら脅して無理やり契約を強いる場合もあるでしょう。
基本的に訪問営業の業者は玄関に入れないで、そのまま帰ってもらうとよいでしょう。
3.道具や車の清潔さを確認する
道具は職人の魂です。道具や車を清潔にしていない職人は、仕事に対する姿勢が真摯ではない場合が多く、仕事の質が悪いと考えられます。
道具が汚いと細かい箇所での作業効率が下がるという点でも、道具を大切にしていない職人は信用できないことが多いです。
もし道具や車が汚れていたら自宅の工事状態を確認して、明らかにおかしい場合は打ち合わせをした営業や番頭に伝えて職人を変えてもらうことも想定しましょう。
4.あなたが悪徳業者を作っている?
意外に思うかもしれませんが、悪徳業者を依頼主が作るケースはありえる話なのです。
ついつい業者にこんなことをしてしまいそうだな、と思いませんか?
- 必要以上に値切る
- 工事中は常に見張る
- 施工完了前にケチをつける
- 仕事以外のことも頼む
上記の4つは許容されることも多いですが、やりすぎは禁物です。
工事中に常に張り付いて毎回のように口出しされると職人もうんざりしてしまい、無意識的に作業が雑になるでしょう。
モノを動かすのを手伝ってほしいなど、仕事以外のことをお願いしても、業者からすると失敗したときにトラブルのもととなったり、実作業が遅れたりするリスクがあります。
遅れた分の時間は、工程を抜いたり雑な作業をしたりして取り戻す可能性さえあります。
職人は担当分野のプロであること、あくまで仕事でありボランティアではないということは認識しましょう。
また、必要以上に値切ると業者は利益が出ないので、雑な施工をすることもありえます。
過度な要求はせず、お互いにマナーを守って工事をおこなうことで、余計なトラブルを避けやすくなるでしょう。
まとめ:外壁のひび割れ補修は塗り替えのサインかも!

塗り替えにかかる費用は80〜150万円が目安となります。
ひび割れが発生している場合は他にも劣化が進んでいる可能性が高いため、塗り替えを検討しましょう。