ご自宅の外壁、こんな症状はありませんか?
- 日当たりの悪い外壁が汚れて見える
- 外壁にポツポツと黒い斑点がでてきた
- ジメジメした部分が茶褐色になった
これらの原因は「カビ」や「コケ」が大半を占めます。
カビはどこにでも生えることで有名です。放置すれば外壁が痛むことに加え、ぜんそくやアレルギーの原因となります。
「外壁にカビが生える原因」と「正しい対処法」を知って、気持ちよく生活できるようにこの記事をチェックしてみてください。
外壁にカビが生える原因

カビは条件がそろえば外壁にも生えます。
特に、風通しの悪い外壁面や日当たりの悪い北側に多く発生します。
- カビが生える条件
- 生えやすい場所
まずは上記の2点を知り、自宅に当てはまるかどうかを考えてみてください。
カビが生える条件
カビが生える時は以下の4つの条件が必要です。
- 適度な湿気(65%以上)
- 適度な温度(0℃~50℃)
- 酸素(空気中の酸素濃度で発生)
- 栄養分(有機物はすべて栄養)
上記の条件は1個でも欠けるとカビは生えません。
カビが生えるのを抑えるには、いずれかをコントロールする必要があります。
温度と酸素をコントロールするのは現実的ではありません。
対策は、湿度と栄養分をコントロールするところから始めます。
カビが生えやすい場所
住宅の外壁まわりでカビが発生しやすい場所を3つご紹介します。
- 雨が付きやすい北向きの外壁面
- 室外機や物置などの陰
- 地面に近い場所
いずれも、湿気、温度、酸素、栄養があるためカビが生えやすい場所です。
カビが生えやすい場所を知っておけば事前に対策が可能となるでしょう。
雨が付きやすい北向きの外壁面
日が当たりにくい北向きの外壁面は、湿気が多いためカビが生えやすくなります。
また、雨が付きやすい場所はホコリが付着しやすくカビが繁殖する原因となります。
室外機や物置などの陰
室外機や物置などの陰になる場所は、湿気がたまりやすくホコリも蓄積します。
ホコリが蓄積していくことで空気がよどむため、カビが生えやすくなります。
地面に近い場所
地面に近い場所は、湿気が多いうえに雨の跳ね返りによって土が付くためカビが生えやすくなります。
ご自宅の周囲を見てまわり、このような場所がないかをチェックしてみましょう。
カビを除去するときのポイント

カビを除去するときに、カビ除去剤をいきなり使っていませんか?
最初からカビ除去剤を使っても効果は十分に発揮されません。
それどころか、すぐに再発する危険性があります。
カビ除去剤を使う前にカビを落とすことから始めなくてはいけません。
外壁でカビが繁殖するのは、表面に付着しているホコリや汚れを栄養分として育つためです。
ホコリや汚れを十分に洗い落とすと、短期間での再発は防ぎやすくなります。
先にホコリや汚れを取り除けば、カビ除去剤の効果も十分に発揮され、カビの根まで断つことができます。
まずは、カビ除去剤を使う前にカビの原因であるホコリや汚れを落とすところから始めましょう。
カビを除去して外壁をキレイにする方法

生えてしまったカビを落とす方法は3つあります。
- 自分で洗浄
- 業者に洗浄を依頼
- 外装塗装をする
カビの生えている状況に適した方法でカビを落としましょう。
自分で洗浄する

建物の低い場所にカビが生えている場合、自分で洗浄することが可能です。
目安としては地面から2m程度です。
それ以上の高さになると十分な洗浄ができず、除去してもカビが再発生する可能性があります。
自分で洗浄するメリットとデメリット
自分で外壁を洗浄するメリットは、費用を抑えられることです。
業者に依頼するよりも半額程度で作業ができるでしょう。
自分で外壁を洗浄するデメリットは、手間がかかること、外壁を傷つける可能性があることです。
業者に依頼する場合は手間がかかりません。
しかし、自分で作業をする場合は準備や片づけもあるため丸1日を費やさなくてはいけないでしょう。
自分で作業をすると外壁を傷つける恐れもあります。
力加減を間違えて外壁を傷つけてしまうと、劣化して塗り替え時期が早まってしまうでしょう。
自分で洗浄する場合に必要な道具と作業手順
自分で洗浄する場合、以下の道具が必要です。
- 食器用洗剤
- ブラシ(毛先の柔らかいもの)
- 散水用ホース
- 防カビ剤
防カビ剤は外壁の塗装を落としてしまう危険があるため、商品の注意事項を守って作業をしましょう。
作業手順は以下のようになります
- 表面についたホコリを水で洗い流す
- 薄めた洗剤とブラシで汚れを落とす
- 洗剤が残らないように水で洗い流す
- 防カビ剤を散布してカビを予防する
上記の方法で格段にきれいになります。
この方法でカビが残ってしまう場合は、外壁材の中にカビの根が張っている可能性が高いです。
専用の薬品で落とすか外装塗装が必要です。
また、脚立を使って個人で作業するのは危険です。
落下や転倒の可能性が高く、非常に危険ですので必ず専門業者に依頼してください。
建築業界の死亡事故の原因は「落下によるもの」が1位となっています。
脚立を使って作業することは、非常に危険な作業であると知っておいてください。
どうしても自分で外壁洗浄をしたいという場合は、「Paint Ke-bulu」というサイトを参考にしてみるのも良いでしょう。
建築塗装業界に5年以上勤めている方が運営しており、DIYのコツが紹介されています。
業者に洗浄を依頼する

高所や落ちにくいところを掃除する場合、専門業者に頼みます。
業者に依頼するメリットとデメリット、洗浄の手順を解説していきます。
業者に依頼するメリットとデメリット
メリットは、汚れを完全に落としてもらえること、高所のカビでも安全に落とせることです。
専門業者に依頼すると汚れやカビを適切な洗浄方法で落としてもらえます。
また、外壁の痛みを最小限にして、再発も抑えられるでしょう。
業者に依頼すれば、隙間が狭くて手が入らい場所や、脚立がなければ届かない高所のカビも落とすことができます。
デメリットは、費用が高いことです
DIYなら2万円で済むような作業が、業者に依頼すると5万円を超えることは珍しくありません。
専門業者が外壁のカビを洗浄する手順
専門業者は以下の手順で洗浄作業を行います。
- 高圧洗浄機で汚れやカビを落とす
- 外壁用の洗浄剤を使って洗浄する
高圧洗浄機で付着したカビを落としていきます。
家庭用より強力な水圧で落とすので細かなところや狭いところまで落とせます。
高圧洗浄で落ちない汚れは専用の洗浄剤を使って落としていきます。
外壁の種類・カビの種類・汚れ具合を判別しながら適切な洗浄剤を使って落とします。
1と2を合わせたバイオ洗浄という方法があります。
専用薬剤と高圧洗浄機を組み合わせてカビを落とします。外壁の微細な穴に侵入したカビの根まで洗浄できます。
専門業者は適切な方法で外壁をきれいにしてくれます。
ただし、外壁の劣化が進んでいる場合は、外壁塗装の検討が必要です。
外壁塗装をする

外壁の劣化が進んでいる場合は、カビの除去に加えて外壁塗装が必要です。
劣化した外壁を放置するとカビが再発しやすくなります。
外壁塗装をするメリットは2つあります
- 外壁の防カビ性能、防水性能を回復する
- 塗装をすると外壁の美観が改善する
汚れた外壁は見栄えが悪く、汚れも付着しやすいです。
外壁塗装は、防カビ性能を取り戻し、美観を回復させます。
ただし、外壁塗装にはデメリットもあります。
それは、カビの除去費用に加えて塗装代がかかることです。
外壁塗装をする場合は塗装用の仮設足場も必要なため、30坪の住宅だと50万円以上の費用がかかります。
外壁のカビを除去する場合の費用相場

2階建てで30坪の住宅だと、安くて1万円、外壁塗装までするのなら50万円以上が必要です。
実際の費用は工事する面積や外壁の状態によって異なるため、以下は参考程度にしてください。
「自分で洗浄する場合」の費用
ご自身で洗浄する場合、洗剤と道具を含めて1万円ほど費用が掛かります。
足場の設置なども行う場合は5万円以上かかることもあるでしょう。
手の届く範囲に発生したカビは自力で取ることができます。
「業者に洗浄を依頼する場合」の工事費用と内訳
業者に依頼した場合の費用は3〜15万円が必要です。
外壁の高いところや小屋根など、ご自身で洗浄すると危ない箇所は業者に依頼します。
高いところを洗うには仮設足場を組んで作業します。
費用の内訳としては、仮設足場代が12万円、洗浄費用が3万円かかります。
業者に洗浄を依頼すれば確実にカビは落ちるでしょう。
しかし、外壁が劣化している場合はカビが再発しやすいです。
カビの発生を予防したいのなら外壁塗装をして抑制する必要があります。
「業者に外壁塗装を依頼する場合」の工事費用と内訳
外壁塗装を依頼する場合は50万円以上が必要です。
外壁塗装では、防カビ塗料を塗布することでカビの発生を抑え、外壁をきれいな状態に保つことができます。
塗装前にカビはしっかり落とさないと新しい塗料の効果が発揮されません。
費用の内訳としては、カビの除去に3万円。専用塗料を塗る工事に50万円以上が必要です。
外壁にカビが生えるのを防止するための予防法

外壁にカビが生えるのを防止するための具体的な予防方法をご紹介します
- 外壁の風通しをよくする
- 防カビ塗料を使う
- 10年おきに外壁塗装をする
このような方法で、外壁にカビが生えるのを予防できます。
具体的に解説していきましょう。
外壁の風通しを良くする
外壁の風通しをよくすることで乾燥した状態を保つことができます。
カビを防止するためには乾燥させることが有効です。
風通しをよくするために、物置や植木鉢を壁から離して設置するとよいでしょう。
防カビ塗料を使う
周辺環境の変化で風通しが悪くなることもあります。
そのような場合は防カビ塗料を使う選択肢もあります。
防カビ塗料は、防カビ剤・防藻剤を配合した塗料です。
カビの発生を長期間にわたって抑制し、美観を保ちます。
防カビ塗料の例としては以下があります。
- バイオタイト(エスケー化研)
- アステックプラス(アステックペイント)
いずれも大手塗料メーカーが販売しており豊富な実績があるため信頼性が高いです。
10年おきに外壁塗装をする
カビを防止するのに効果的なのは定期的に外装塗装を行うことです。
最近の外壁は汚れが落ちやすくなる機能がありますが、時間がたつと劣化して性能が落ちてきます。
また、わずかな凹凸があるだけで汚れがたまってカビが生えてきます。
定期的に塗装を行うことで、外壁の性能を復活させ、カビの原因を除去できまるでしょう。
近年で外壁に使っている塗料は、汚れが落ちやすくて劣化が少ない商品が大半を占めています。
最近の塗料ならカビの原因になるホコリや汚れが雨で落ちやすいため、カビの発生を防いでくれるでしょう。
防カビ効果は10年ほどもちますが、次第に性能が落ちてホコリや汚れがたまりやすくなります。
外壁が劣化したら早い段階で外壁塗装をするようにしましょう。
まとめ:外壁のカビを完全に除去したいなら外壁塗装をしよう!

今回はカビの発生原因と対処法をお伝えしました。
外壁に発生するカビは対策が難しく、定期的なメンテナンスが必要です。
外壁塗装の際に汚れの落ちやすい塗料を使えばメンテナンス周期はぐっと長くなります。
気持ちよく生活するためにカビの発生を抑制したい、という人は外装塗装を検討しましょう。
外壁塗装の費用や方法については「外壁塗装の疑問を元プロがすべて解消!費用や種類から、色、助成金、DIYまで」で解説しています。
安く外壁塗装をしたいのならチェックしてみましょう。