住宅の外壁塗装を行うには、たくさんの資金が必要です。
使用する塗料や住宅の規模などにもよりますが、一般的な費用相場は80~120万円程度です。
将来を見据えて計画的に資金を積み立ててきた人でなければ、すぐには用意できない金額でしょう。
ですが、ローンを利用することにより、まとまった資金がなくても工事を依頼することが可能です。
この記事では、外壁塗装でローンを利用するメリットやデメリット、ローンを組む手順などを紹介します。
もちろん、前もって知っておくべき事項も多くありますので、しっかりと内容を把握しておくことも重要です。
外壁塗装でローンを利用する場合のメリットとデメリットは?

外壁塗装でローンを利用する場合のメリットとデメリットを以下にまとめます。
メリット
【費用全額を用意できなくても依頼できる】
ローンを利用すれば費用全額を用意できなくてもすぐに外壁塗装を依頼できます。
資金の積み立てを行っていなかった人や、外壁塗装を急ぐ場合は救済策となるでしょう。
【早めに工事をすれば費用を安くできる場合が多い】
外壁塗装は年数を経るほど劣化していきます。
劣化の激しい外壁を再塗装するには、より高額な費用が必要です。
修繕資金が貯まるのを待つよりも、ローンを使って早めに工事した方が安く済ませられる場合が多いです。
デメリット
【金利が発生する】
外壁塗装に限ったことではありませんが、ローンの利用により金利が発生します。
金利の水準は金融機関によって異なります。
固定金利、変動金利など種類によっても違いが生じますので、比較検討する労力もかかります。
【ローン審査などの手続きが煩雑】
融資機関による審査といった、ローンを組むうえでの手続きが煩雑です。
あとで説明しますが必要書類が多いため慣れていない人は想像以上の負担になるかもしれません。
外壁塗装でローンを利用するのが向いている人
外壁塗装をまとまった資金がないからといって先送りにしたところで、いつかは実施しなければなりません。
そのため、外壁塗装の塗り替え時期に差し掛かっていて資金を工面できる見込みがない人には、ローンの利用をおすすめします。
外壁塗装でローンを組む手順

外壁塗装でローンを組んだ場合、どのような手続きが必要になるのか、実際に流れをみていきましょう。
まずは見積書の取得から
外壁塗装にかかる金額を把握するため、塗装業者へ見積もりを依頼しましょう。
見積もりは1社だけなく、2~3社程度の複数の業者に依頼して比較検討することをおすすめします。
なお、見積もり取得後、発注先を決定する際には金額だけで選んではいけません。
各業者によって面積や使用する塗料などが違っている場合があるからです。
安さに惹かれて工事を依頼したところ、塗装してほしい箇所が含まれていなかった、低いグレードの塗料を使われていた、など想定外の状況に直面することがあります。
後悔をしないよう、気になる点があれば必ず業者側へ問い合わせ、納得したうえで発注しましょう。
金融機関の審査を受けよう
金額が確定したら、ローンを組む金融機関へ仮審査を申し込みます。
仮審査通過後、本審査に移りますが、本審査では必要な書類が多数あります。
一般的な審査で必要な書類は下記の通りです。
- 見積書、工事請負契約書
- 外壁塗装箇所を特定できる図面
- 源泉徴収票などの収入証明書類
- 土地、建物の登記簿謄本
- 住民票
- 印鑑証明書
このうち、土地、建物の登記簿謄本は法務局への申請が必要です。
申請から到着まで時間を要しますので、早めに手配しましょう。
また、金融機関によっては他にも提出する書類がありますので、抜けることがないよう事前に確認しておきましょう。
融資決定後の流れ
本審査に申し込んだ後、1~2週間ほどで審査の結果が通知されます。
通知結果が合格であれば、金融機関との間でローン契約を結ぶことになります。
契約締結後、指定した日時に融資が実行され、ローン契約を結んだ金融機関から外壁塗装業者に工事費用が振り込まれ、融資決算が完了します。
外壁塗装におけるローンの種類やお得な支援制度を知っておこう

外壁塗装で利用できるローンには種類があります。
お得な支援制度もありますので、前もって確認しておきましょう。
外壁塗装で利用できるローンの種類を知ろう
外壁塗装で利用できるローンには、物件を担保とする有担保ローンと、担保を必要としない無担保ローンといった、大きく分けて2種類があります。
有担保ローンは物件を担保とするため、支払いが滞ってしまうと物件が差し押さえられるリスクがあります。
ですが、無担保の場合より借り入れ可能金額が高く、金利が低いうえ、返済期間を長くできる特徴があります。
無担保ローンの場合はその逆で、借り入れ可能金額が少なく、金利は高めで最長返済期間が短いです。
それぞれメリットとデメリットがありますので、借り入れたい金額、返済期間などを考慮したうえで適切な方法を選択しましょう。
ローンの選び方のポイントを覚えよう
ローンの選び方のポイントとして、すでに住宅ローンを利用している場合に同じ借り入れ先にすれば、一度審査を通った後なので進めやすいでしょう。
金融機関によっては優遇金利を受けられる場合もありますので、まずは住宅ローンの借り入れ先を第一候補として検討することをおすすめします。
また、外壁塗装を依頼する業者と提携している融資機関があれば、紹介してもらうのも良いでしょう。
提携している融資機関であれば、業者側で申込書の記入などを進めてくれるため、スムーズに手続きができます。
もちろん、手続きが簡単という理由だけで決めず、金利や借り入れ金額など内容をきちんと把握したうえで判断することが大切です。
支援制度を活用しよう
ローンを利用することで適用の対象となる減税制度、補助金、助成金などもあります。
減税制度には住宅ローン控除があります。
住宅ローン控除とは、年末時点でのローン残高の1%を所得税などから控除できる制度のことです。
主に住宅取得の際に使いますが、一定の条件を満たすことで外壁塗装のローンにおいても利用可能です(建物の増改築に該当するため)。
条件は住宅取得の場合とほぼ同じですが、工事費用が100万円以上であることが加わっている点に注意しましょう。
補助金、助成金は地方自治体によって制度を設けている場合があります。
条件は自治体によって異なりますが、断熱塗料や遮熱塗料など比較的高価な塗料の利用を条件に含めている場合が多いため、一般的な塗料を使用しても対象外となってしまう可能性があります。
実際に行う工事が制度の対象となるかどうかは、事前に自治体の相談窓口へ確認するか、依頼先の業者に相談することをおすすめします。
外壁塗装のローンでは支援制度の時期を逃さないようにしよう

外壁塗装を検討するうえで、もっとも重要なポイントは工事時期を遅らせないことです。
工事を先送りにしていると既存の塗装の劣化が進んでしまい、最悪の場合、外壁にひび割れなどが発生して塗装のみでは対処できない状態まで発展する可能性もあります。
そうなってしまうとさらに高額な補修費用が必要です。
したがって、外壁塗装の塗り替え時期に差し掛かっていて、資金を工面できる見込みがない人には、ローンの利用をおすすめします。
補助金や助成金などの支援制度を受けられる地域にお住まいの人は、自治体のホームページを閲覧したり、相談窓口へ問い合わせたりするなどして、支援制度が継続中かどうか確認して工事時期を逃さないように注意しましょう。
なぜなら、補助金や助成金にはあらかじめ予算が決められており、予算の上限に達した場合に、制度が早期に終了してしまう場合があるからです。
外壁塗装はたくさんの資金が必要となる工事ですから後悔しないよう、確実な情報を集めることを心掛けましょう。
リフォームローンをさらに詳しく知りたい場合は「リフォームローンとは?ローンの種類や金利、申し込みの手順を徹底解説!」もご覧ください。