「外壁塗装は何のためにするの?」
「塗料の種類や工事費用を知りたい」
こういった疑問を持っている人は多いでしょう。
外壁塗装の詳しい情報を知らずに工事を依頼すると悪徳業者に費用をだまし取られる危険性があります。
この記事では、塗装の資格をもつ元プロが、初めて外壁塗装を考える人の悩みを解消します。
具体的には以下の情報を解説します。
- 外壁塗装の目的
- 塗装工事にかかる費用の相場
- 外壁塗装で使う塗料の種類
- 塗装工事で外壁の色を決める方法
- 外壁塗装が必要な時期の見分けかた
- 費用を補助金で安くする具体例
- DIYで外壁塗装をするメリットとデメリット
- 業者にだまされないための注意点
記事を読んで上記を把握しておけば、外壁塗装の工事で失敗を避けやすくなるでしょう。
「外壁塗装」とは外壁を塗るリフォーム

「外壁塗装」とは、外壁リフォームのひとつで、壁を塗り替える工事を指します。
一般的な外壁リフォームのなかでは最も安くすむため人気の工事手法です。
外壁塗装の目的は2つ!

外壁塗装をする目的は2つあります。
- 見た目を美しくする
- 外壁を保護する
目的を把握すれば外壁塗装の必要性を理解できるため、自宅に工事が必要かどうかを判別できるでしょう。
見た目を美しくする
ボロボロに劣化した外壁は塗装をすると美しくなります。
デザイン性を重視した立体的な塗料もあるため家のイメージを切り替えたい場合に適しています。
外壁を保護する
塗装をすると外壁材を紫外線や雨から保護することができます。
1mmに満たない塗料であっても紫外線や雨を遮断するには十分な厚みがあるのです。
外壁塗装をしないと起こる3つの問題

外壁塗装をしない場合、3つの問題が発生します。
- 雨漏り
- 見栄えが悪くなる
- 外壁材が劣化
上記の問題を引き起こして後悔しないために、3つの危険性があると理解しておきましょう。
雨漏り
外壁塗装には雨が内部に入り込みにくくなる性質があります。
完全に遮断できるわけではありませんが、塗装をするかどうかで雨漏りの発生率は変わるでしょう。
塗装をしないで20年も放置すれば雨漏りが起こる危険性は高まります。
見栄えが悪くなる
塗料の種類によっては10年もすると剥がれはじめます。
塗装が剥がれた外壁は見栄えが非常に悪く、近所からの視線は冷たいものとなるでしょう。
世間体を気にする人だと見栄えの悪さに耐えきれないため、外壁塗装は欠かせません。
外壁材が劣化
外壁塗装には外壁材を保護する役割があります。
しかし、塗装をしてから10年が経過すれば保護機能は低下してしまい、外壁材が劣化しやすくなります。
塗装が剥がれても放置し続けると外壁材が雨や風の影響を直接受けてしまうため劣化が急速に進むでしょう。
外壁材が劣化すれば塗装では対処ができず、高額な補修費用が必要となります。
外壁塗装にかかる費用の相場を知って安く工事をしよう!

外壁塗装の工事では100万円前後の費用が必要です。
塗装工事に必要な費用の相場を把握すれば悪徳業者に騙される危険性が低くなります。
工事に必要な費用の相場を具体的に把握しておきましょう。
外壁塗装にかかる費用相場は70〜100万円
30坪程度の住宅では、外壁のみの塗装で70〜100万円、屋根と外壁を同時に塗装するのなら100〜140万円が工事の相場です。
上記は最も人気が高い「シリコン塗料」を利用した場合の税抜き金額です。
実際には消費税が加わるため、さらに1割近い追加費用が必要だと考えてください。
70〜100万円はあくまで目安でしかありません。
工事内容や使う塗料の種類で価格は変動します。
外壁塗装にかかる費用の単価一覧
外壁塗装にかかる費用の1㎡あたりの単価は以下が相場です。

上記は一例です。
業者によって作業内容の名称や工事単価は異なります。
詳しい価格や、安くする対策を知りたい場合は40坪の住宅でサイディング外壁を塗装する費用相場をチェックしてみましょう。
外壁塗装に利用する塗料の種類を知って最適な商品を選ぼう!

外壁塗装に利用する塗料には「塗料グレード」と呼ばれる分類があります。
「塗料グレード」とは、塗料の原料ごとに分けた呼びかたです。
グレードが高い塗料ほど優れた性能を持つ傾向があります。
外壁で使う塗料のグレードは主に5種類があります。
- アクリル塗料
- ウレタン塗料
- シリコン塗料
- ラジカル塗料
- フッ素塗料
塗料グレードを理解しないで商品を選ぶと、想定よりも耐久性が低い塗料を選んでしまい後悔する危険性があります。
アクリル塗料
「アクリル樹脂」を利用した塗料です。
非常に安価な塗料ですが耐用年数(次の塗り替えをするまでの期間)が短いため、特定部位の塗装や、DIYで利用する商品として人気があります。
業者による外壁塗装では、「吹き付けタイル」といった特殊な工法以外ではほとんど利用されていません。
メリット
単価が最も安い
デメリット
耐用年数が最も短い
外壁塗装の工事ではほとんど利用しない
単価
1㎡あたり1,840〜2,970円
耐用年数
5〜7年
アクリル塗料が向いている人
デザイン性が高い凹凸模様を作る「吹き付けタイル」を利用する人
5年以内に解体する建物を塗装する必要がある人
ウレタン塗料
「ポリウレタン樹脂」を主に利用した塗料です。
密着性に優れていて光沢性があるため、美しい仕上がりになりやすい特徴があります
業者が外壁塗装で利用する一般的な塗料としては価格が最も安いです。
メリット
外壁塗装に利用する一般的な塗料としては単価が最も安い
デメリット
耐用年数が短い
単価
1㎡あたり2,100〜3,100円
耐用年数
8〜10年
ウレタン塗料が向いている人
外壁塗装の工事費用を抑えたい人
シリコン塗料
「アクリルシリコン樹脂」を主に利用した塗料です。
気候の変化に強くて劣化しにくいほか、塗料が汚れにくい特徴があります。
「アクリルシリコン樹脂」とは、「アクリル樹脂」に「シリコン」を混ぜ合わせた物質です。
「シリコン塗料」は、耐久性が低い「アクリル塗料」と同じ材料を使っているにもかかわらず、性能は飛躍的に向上しています。
シリコン塗料は日本の住宅塗装で最も利用している塗料であり、実績や種類が豊富です。
塗料選びが面倒な人はシリコン塗料を選べば大きな失敗はしないでしょう。
メリット
汚れにくい
日本の住宅外壁塗装で最も利用しているという実績がある
デメリット
塗り替えのときに次の塗料が付着しにくい
単価
1㎡あたり2,730〜4,140円
耐用年数
10〜15年
シリコン塗料が向いている人
人気や実績がある塗料を使いたい人
塗料選びが面倒な人
ラジカル塗料
塗料の劣化原因である「ラジカル(劣化因子)」の発生を抑制して性能が向上した塗料です。2012年に登場したばかりで実績が少ない欠点があります。
他の塗料グレードはベースとなる樹脂の材質によって分類されますが、ラジカル塗料は樹脂の種類によって決まるわけではありません。
既存のアクリル樹脂やシリコン樹脂の「ラジカル因子」を制御した塗料が「ラジカル塗料」と呼ばれます。
ラジカル塗料は、コストパフォーマンスが高いと言われる「シリコン塗料」を上回る費用対効果が得られます。
メリット
外壁塗装に使う塗料のなかでコストパフォーマンスが特に高い
デメリット
耐用年数を超えた実例がないため将来的に想定外の事態が起こるリスクがある
単価
1㎡あたり2,930〜4,290円
耐用年数
14〜16年
ラジカル塗料が向いている人
リスクを取ってでもコストパフォーマンスを重視する人
フッ素塗料
「フッ素樹脂」を利用した塗料です。
フッ素樹脂とは、エチレン重合体である「水素原子をフッ素に置換して結合させた塗料」です。
外壁に使う塗料のなかで耐久性が非常に高く、メンテナンスの手間も少ないことが特徴です。
公共施設や東京スカイツリーなど有名な施設でも頻繁に利用しています。
フッ素塗料は何度も改良されており、現在は日本ペイント株式会社が開発した「4フッ化エチレン樹脂」などを利用しています。
メリット
耐用年数非常に長い
メンテナンスの手間が省ける
デメリット
価格が高額
単価
1㎡あたり3,690〜4,700円
耐用年数
15〜20年
フッ素塗料が向いている人
塗り替えの頻度を減らしたい人
キレイな外壁を長く維持したい人
メンテナンスの手間を省きたい人
各塗料グレードの特徴を以下にまとめました。参考にしてみてください。

外壁塗装の色の決め方を知って失敗しないようにしよう!

外壁塗装の色選びには3つの手順があります。
手順を間違えるとイメージしていた色にはならないため後悔します。
イメージに近い外壁にするために3つの手順を把握しておきましょう。
外壁塗装の色を決める手順をチェック!
外壁塗装の色を決める際には以下の手順を踏むことをおすすめします。
- 理想の住宅をイメージする
- カラーシミュレーションで住宅の全体カラーを決める
- 色見本やサンプルで最終確認
上記の手順を守れば色選びで失敗するリスクを格段に下げられるでしょう。
理想の住宅をイメージする
色を選ぶ前に「どのような雰囲気の外壁にしたいか」を考えます。
- 落ち着いた見た目の家にしたい
- 周囲の山や自然と調和した住宅にしたい
- 近隣の住宅と色調を合わせたい
など、おおよそでいいのでイメージを固めてください。
カラーシミュレーションで住宅の全体カラーを決める
イメージを決めたら、似合いそうな色を選びます。
住宅全体の色選びに役立つのが「カラーシミュレーション」です。
カラーシミュレーションとは、コンピューターを使って住宅の色を事前に確認するための手法を主に指します。色の変更がしやすいデジタル画面で住宅の全体イメージを確認しましょう。
色見本やサンプルで最終確認
カラーシミュレーションでおおよその色を決めたら、現実の塗料を板に試し塗りした「色サンプル」や、細かい色までチェックできる「色見本帳」で最終チェックを行います。
明るさや鮮やかさの微細な変化も確認して、どの色が最適かを業者と一緒に検討しましょう。
外壁の色を決めるときの4つの注意点

外壁の色を決めるときには注意しなければ失敗する要素が4つあります。
- カラーシミュレーションだけで色を決めない
- 「面積効果」に注意する
- 可能なら試し塗りをする
- 外壁は3色までにする
上記のポイントを守らなければ、塗装工事後の仕上がりがイメージとかけ離れてしまい後悔するでしょう。
カラーシミュレーションだけで色を決めない
カラーシミュレーションは、住宅全体のカラーイメージを考えるうえで非常に有用な手法です。
しかし、カラーシミュレーションには欠点があります。
欠点とは、コンピューター上で色を作成しているため現実の塗料と完全に同じ色にはならないことです。
デジタル上で作られた色と、現実の塗料の色は同じではありません。
また、画面で見た色と現実の色は光の当たり具合が違うため見えかたが異なります。
カラーシミュレーションだけで色を決めると高確率でイメージと違う色になるでしょう。
「面積効果」に注意する
「面積効果」とは、塗る面積によって色の見えかたが変わる現象です。
基本的に塗料は塗る面積が大きいほど明るく見えます。
外壁ほど大きいものとなれば色見本やサンプルのときよりも明るく見える可能性は非常に高いです。
色を選ぶときは理想よりもわずかに暗い色を選ぶようにしましょう。
可能なら試し塗りをする
色は凹凸や艶によって見えかたが変化するため、塗る外壁材の種類によってイメージが変わります。
可能なら外壁に試し塗りをしてイメージ通りかどうかを確認しましょう。
外壁の色が理想よりわずかでもズレることを防ぎたい人は、試し塗りを検討してください。
外壁は3色までにする
外壁に使う色の種類は3色までにしなければ統一感がなくなります。
統一感がない外壁は見栄えが悪くなります。
4色以上を使うと統一感がなくなりやすいため、よほどデザインセンスに自信がある人でもなければ多色にするのは避けましょう。
理想は外壁2色、屋根1色の合計3色です。
外壁を3色にする場合は、3色目をバルコニーにだけ使えばバランスが取りやすいでしょう。
【目的別】外壁に適した色を解説!

外壁塗装では塗り替えに適した色があります。
目的ごとに適した色を解説していきます。
- 汚れが目立たない色を探している
- 周囲に溶け込みやすい色を知りたい
- 上品で落ち着いた色にしたい
このように考えている人には役立つ情報となるでしょう。
汚れが目立たない色
外壁塗装で汚れが目立たない色は「グレー」です。
汚れの多くは白や黒、茶色、緑です。
グレーの外壁はどの色であっても目立ちにくいため汚れを隠したい場合に適しています。
周囲にとけこみやすい色
周囲の景色に溶け込みやすい色は「ブラウン」です。
近隣の住宅が白のように目立つ色でなければブラウンの外壁は景色に溶け込むでしょう。
また、周囲が自然に囲まれた地域であってもブラウンは目立ちにくく落ち着いた印象を与えます。
上品で落ち着いた色
上品で落ち着いた外壁の色は「ブラック」と「ホワイト」です。
どちらか一方を使うよりも、2色を組み合わせたほうが格調高いイメージとなるでしょう。
ただし、ブラックやホワイトは汚れが目立ちやすい色です。
長期的に考えると見た目が悪くなる危険性があるため将来のことを考えて色を選んでください。
外壁塗装が必要な時期を知ってリフォーム費用を効率的に抑えよう!

外壁塗装に適した時期を知ると、最適なタイミングで塗り替えができます。
最適なタイミングで塗替えを行うことで塗装の効果を最大まで活かせるようになり、リフォーム費用の節約につながるでしょう。
外壁塗装に適した年月は新築から10年後
外壁塗装に適した時期は新築から10年後です。
理由としては、10年前に主に利用していた塗料が「ウレタン塗料」だからです。
ウレタン塗料の耐用年数は10年程度のため、新築から10年後が塗り替えを検討する時期となります。
ただし、年月は目安でしかありません。
実際の塗装時期は劣化状況によって判断したほうが確実です。
塗り替えが必要な劣化症状はコレだ!
外壁塗装は年月が経過するとさまざまな劣化症状を引き起こします。
以下では、塗り替えが必要な劣化症状を解説します。
チョーキング(白亜化)

「チョーキング」は、塗膜(外壁に塗装した膜)が劣化して「顔料」が露出する現象です。
「顔料」とは色を付ける材料で、色がついている外壁塗料のほとんどで使われています。
外壁を指でさわってみて粉状の物質が大量に付く場合はチョーキングが発生していると考えられます。
チョーキングが発生している塗膜は「外壁を保護する」という塗装の機能が失われています。
放置すれば外壁材の劣化を招くでしょう。
ひび割れ(チェッキング・クラッキング)

「ひび割れ」は、塗膜や外壁材に亀裂が入る現象です。
一般的に、塗膜の表面だけの軽度な割れを「チェッキング」、下塗り材や外壁材まで届く重度の割れを「クラッキング」と呼びます。
クラッキングが発生している場合は放置すると雨漏りの危険性があるため早急に塗り替えが必要です。
また、サイディング外壁よりもモルタル外壁のほうがひび割れが発生しやすい性質があります。
ふくれ

「ふくれ」は、塗膜の表面がふくれる現象です。
ふくれた塗膜の中には空気や水が入りこみ、内部の劣化を早めてしまいます。
塗膜のふくれは発生しても致命的な症状になることは少ないですが、ふくれの内部の塗装は完全に剥がれているため外壁を保護する機能は失われています。
塗膜剥離(とまくはくり)

「塗膜剥離」は、塗膜が剥がれる現象です。
「ふくれ」が悪化して剥がれ落ちた場合も塗膜剥離となります。
塗装が剥がれているため外壁を保護する機能が完全に失われています。
放置すれば外壁材の劣化が進むため、塗膜剥離が外壁の広い範囲で見つかった場合は塗替えを行いましょう。
サビ(錆び)

「サビ」は、金属が酸素や水と反応して腐食する現象です。
外壁の場合は金属素材でのみ発生するため窯業系サイディングやモルタル素材なら症状が出る心配はありません。
金属外壁の場合はサビを放置すると穴があいて塗装では対処ができなくなるため、早急に塗替えをしましょう。
外壁塗装を助成金で安くする方法を知ろう!

外壁塗装では自治体の助成金を利用して費用を安くできる可能性があります。
「助成金」とは条件を満たせば誰でも受けられる、人数制限がない支援金のことです。
助成金が適用できるかどうかは自治体によって異なります。
外壁塗装には助成金を出していない地域もあるため、所属する自治体の助成金の状況を調べておきましょう。
一例として、以下のような助成金があります。
東京都渋谷区の助成金
名称
「住宅簡易改修工事費助成」
適用条件
- 渋谷区に住民登録をしている個人
- 工事対象の住宅の「所有者」か「配偶者」、「所有者の親」、「所有者の子」が対象
- 工事対象の住宅に住んでいる
- 工事費用が税抜きで5万円以上
- 渋谷区協定業者に依頼すること
支給額
- 税抜き工事費用の20%
- 上限額は10万円
リフォーム工事全般に支援金を出している自治体は少ないでしょう。
しかし、太陽光を遮断できる「遮熱塗料」を使った「省エネリフォーム」であれば多くの自治体が補助金を支給しています。
詳しい情報を知りたい場合は「〇〇市(自治体名) リフォーム 助成金」で検索すると見つかるでしょう。
外壁塗装をDIYして費用を抑えられるか知ろう!

外壁塗装はDIYが可能です。
DIYで外壁塗装を行えば費用を節約できる可能性がありますが、デメリットも把握しなければ後悔します。
以下では、外壁塗装をDIYで工事するメリットとデメリットを解説していきます。
外壁塗装をDIYで工事するメリットとデメリット
外壁塗装をDIYで工事する場合、大きなリスクがあります。
DIYは特にデメリットが多いため、確実性を求める人は業者に依頼するようにしましょう。
DIYのメリット
外壁塗装をDIYで行うメリットは「費用を半額程度にできる」だけです。
30坪程度の住宅の場合、業者に依頼すると70〜100万円が必要ですが、DIYなら30〜50万円程度で工事が可能でしょう。
DIYのデメリット
外壁塗装をDIYで行うデメリットは以下の5つです。
- 塗装が剥がれやすい
- 工期が長い
- 手間がかかる
- 怪我のリスクがある
- 近隣住民とトラブルになりやすい
外壁塗装は資格が存在するほど高度な作業です。このためインターネットで調べた程度の知識や技術では塗料の性能を十分に引き出せません。
塗装して1年以内に剥がれる可能性が業者に依頼するよりも高く、塗り直しをして工事費用が高くなるリスクがあります。
外壁塗装を業者に依頼する場合の工期は2〜3週間程度です。
一方で、DIYは3ヶ月〜半年の期間が必要です。理由としては、業者だと2〜3人で作業しますがDIYは1人が多いためです。
また、業者は週に40時間程度の作業をしますが、DIYだと仕事終わりに毎日3時間が限界でしょう。週の合計作業時間は21時間のため、業者の半分しか工事ができません。
外壁塗装のDIYは非常に手間がかかります。
道具を購入し、塗料を塗りやすいように調整し、養生して下塗りや中塗り、上塗りをするなど、業者に依頼するよりも何倍も手間がかかります。
外壁塗装は足場にのぼって高所作業を行います。
安全性と効率性を考えると足場を使わない外壁塗装は現実的ではありません。足場を使わずに工事をした場合、工期は2倍に延びるでしょう。
足場での作業は慣れないと落下や転倒の危険があります。
DIYで怪我をして本業を休むことになり、工事費の節約以上に給料が減ったなんて事態も考えられるでしょう。
DIYの大きなデメリットとして、近隣住民とのトラブルがあります。
塗料は液体のため風で簡単に飛んでいきます。隣家の外壁や車に付着すれば高額な費用を請求され、DIYで節約した工事費を上回るでしょう。
一方で、業者に依頼すれば塗料が飛散してもあなたに請求が来ることはありません。
場合によっては100万円以上の弁償をしなくてはいけない危険性があるため、高額な費用を請求されても支払える人だけがDIYをしましょう。
外壁塗装を業者に依頼する際の3つの注意点

外壁塗装業界には悪徳業者が多いです。
しかし、悪徳業者の見抜きかたを知っておけば騙される心配を減らすことができます。外壁塗装を業者に依頼する場合は以下の3つをチェックしてください。
訪問営業の業者には依頼しない
自宅に訪問してくる外壁塗装業者は詐欺の可能性が高いです。
「国民生活センター」の「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」によると2018年の訪問販売によるリフォーム工事の相談件数は6,686件もあります。
訪問営業のリフォーム工事に関する相談が1日に18件も来ているということです。
上記には「消費生活センター」といった他からのデータは含まれていないため、すべてのサイトの相談件数を合わせれば1万件を超える可能性があります。
このように、訪問営業をしている業者は危険性が高いため自宅に来たとしても依頼しないほうがよいでしょう。
相見積もりをする
「相見積もり」とは、同じ工事条件で複数の業者に見積もりを依頼する手法です。
外壁塗装を業者に依頼する場合は3社程度の業者に見積もり依頼をしましょう。なぜなら、価格や工事内容が比較できるからです。
1社にだけ依頼してしまうと比較対象がないため価格が相場より高くても依頼するしかなくなります。
適正価格かどうかを判別するために3社に見積もり依頼をすれば、安心して業者を決められるでしょう。
見積書の項目は具体的にチェック
見積書を比較する際にどこをチェックすればいいかはプロでなければ判別しにくいです。
知識がなくてもチェックしやすいポイントを3つだけ解説しますので、相見積もりをする際はすべての条件を満たす業者を選んでください。
価格が他の業者より高すぎず安すぎないこと
3社で相見積もりをしたときに1社だけ高すぎる、あるいは安すぎる業者は危険です。
高すぎる場合は費用の水増しの可能性があります。
安すぎる場合は手抜き工事のおそれがあります。
相見積もりをすれば外壁塗装の工事価格は近くなるのが一般的です。
見積もりを依頼する際に「相見積もりで比較します」と教えれば多くの業者は適正価格を出してくるので、事前に伝えるようにしましょう。
工事内容に「一式」を多用していないこと
「一式」とは、重要ではない項目に使う表現方法です。
工事内容に関する項目が少なかったり、塗装面積が「一式」と表記していたりする業者は避けてください。
特に「一式」の項目を多用している業者は、面積などをいい加減に計測して高額な費用を請求している可能性があります。
10万円以上の値引きをしていないこと
外壁塗装の工事で10万円以上の値引きをする会社は悪徳業者の危険性が高いです。
10万円以上の値引きをする業者は、値引き前の見積もり額を高く算出して、大きく値引きすることでサービスをしているかのように演出します。
値引きは業者の利益を削る行為のため、優良業者であれば外壁塗装リフォームで10万円を超えるとは考えにくいです。
値引き自体はどの会社もしているため、金額が10万円を超えるかどうかで業者を判断しましょう。
まとめ:外壁塗装は業者選びで決まる!

外壁塗装では、悪徳業者に騙されると価格は高くなり、塗料もすぐに剥がれてしまいます。
この記事で記載した情報も、悪徳業者に依頼してしまうとすべて無意味になるでしょう。
悪徳業者を見抜くためには自分で1社ずつ電話をして相見積もりを依頼し、業者を比較する手間と時間が必要です。
外壁塗装の業者選びに時間と手間をかけられない人には、信頼できるインターネットサイトを利用することをおすすめします。