普段何気なく住んでいる住宅において、外壁に塗装をしなおしている住宅を見かけませんか?
実は見えない部分で様々なトラブルが発生するもので、外壁塗装をしないことによって大きなリスクを負う可能性があるために行っているのです。
では、外壁塗装を行う必要性やメリット、デメリットにはどのような点があるのでしょうか?
この記事では、外壁塗装をしないことによって起こるデメリットを解説していきます。
外壁塗装の必要性は2つ

住宅の外壁を塗装する必要性としては、主に次の2点が挙げられます。
- 外壁素材を保護する
- 外壁の美観を維持する
この理由をしっかり理解すれば、何気なく行っている外壁塗装をより簡素化することも可能です。
外壁素材を保護する
外壁塗装が必要な主な理由は、外壁材を保護するためです。
室内とは違い、外壁は雨風にさらされますし、気温も高温時には40℃以上に達します。
寒いと氷点下を下回るので、とても過酷な状況となるのです。
他にも、直射日光に当たることで紫外線によってダメージを受けますし、ホコリが付着することもあります。
このような要因から外壁を少しでもガードする役割を果たしているのが塗装なのです。
イメージとしては、車にワックスでコーティングを行うのと同じで、外壁材を塗装でおおうことで保護しています。
一般的に、塗装によって保護できる年数は10年程度となっているので、定期的に塗りなおしが必要です。
外壁の美観を維持する
外壁塗装は主にコーティングの役割が大きいのですが、見た目がきれいになるという効果もあります。
外壁材が劣化したとしても、塗装を行うことで劣化した部分が目立ちにくくなるでしょう。
また、見た目が良くなることでスタイリッシュな住宅に見せることができます。
外壁に塗装をしない2つのメリット

外壁塗装は必ず行わなければならないものではありません。
選択肢の一つとしては、外壁塗装は行わないということも選べます。
外壁塗装を行わないメリットとしては、主に以下の2点が挙げられます。
- 費用が浮かせることができる
- 業者に依頼する手間が省ける
塗装しないメリットを把握できれば無駄な費用を減らせるため、しっかりと理解してくことが重要です。
外壁塗装をしないことで費用が浮く
外壁塗装をする場合、基本的に業者に依頼して塗装することになります。
その場合、以下の要素によって費用が変動します。
- 外壁の面積
- 足場の面積
- 塗料の使用量
- 費用の計算の仕方
塗装と一概に言っても、使用する塗料によって効果がまったく異なります。
主な塗装の種類と特徴は以下のようになります。
「アクリル系塗料」
耐用年数が短いが安価に塗装ができる。現在は外壁にはほとんど使われていない。
「ウレタン系塗料」
防水性や耐候性に優れており、アクリル塗料よりも耐用年数が長い。主流の塗料の中ではコストが低い。
「シリコン系塗料」
ウレタンよりも寿命が長く、汚れを弾きやすい性質がある。費用と耐用年数のコストパフォーマンスが最もよいと考えられている。
「フッ素系塗料」
主流の塗料では最も耐用年数が長いが費用も高い。
より高価な塗料を選択することで、工事費用が100万円を超えることがあります。
また、外壁塗装は安価な工事でも70万円以上はかかります。
外壁塗装をしない場合は、その費用がすべて不要になる可能性があります。
業者に依頼する手間が省ける
外壁塗装を行う場合、単純に費用面だけでなく業者に依頼するという手間がかかります。
業者の都合もありますので、依頼してすぐに工事してくれるわけでもありません。
また、外壁塗料を行っている間は周囲に業者が出入りして施工するので、周囲への気遣いなども必要になります。
外壁塗装を行わない場合はそのような配慮もしなくてすみます。
このほか、屋根の雪止めに関しては塗装するとトラブルを招く恐れがあります。
詳しくは「あとから雪止め」のコラム記事をご覧ください
外壁に塗装をしないと起こる10のデメリット

外壁塗装を行わないことで、費用面などでメリットがあります。
しかし、多くのデメリットも存在しています。
主なデメリットとして、10個を紹介いたします。
- 見栄えが悪くなる
- 雨漏りが起こる
- スキマ風が発生する
- 外壁材の劣化が早まる
- 建築材の劣化が早まる
- 虫が侵入しやすくなる
- 補修費用が増える
- カビやコケが生えやすくなる
- 悪徳業者に狙われやすくなる
- 地震で崩れやすくなる
外壁塗装のデメリットを知れば、塗装するかどうかを決める判断の目安にもなりますので、しっかりと理解しましょう。
1.見栄えが悪くなる

外壁塗装をしない場合、一般的には10年程度で外観が悪化してきます。
外観が損なわれると、見た目がよくないことで悪印象を与えかねません。
特に、ご近所の方から見ると手入れをせずボロボロの外壁はだらしない家庭という印象を与えるでしょう。
自宅を売却する場合は査定額に響く可能性も考えられます。
2.雨漏りが起こる

外壁塗装の工事では補修も行うため、雨漏りを防止する効果があります。
長年使用していると、外壁の目地が切れるといったトラブルが発生します。
切れた箇所に雨が進入して雨漏りを発生させるのです。
目地の破損は日が当たりやすい箇所や屋根に発生することが多く、しっかりと外壁塗装しないと雨漏りによって不快な思いをするでしょう。
3.スキマ風が発生する

外壁塗装をしない場合、隙間ができることによって風が入りこみやすくなります。
特に、冬の寒い時期にスキマ風が入り込むと部屋の温度が大きく下がってしまいます。
気密性が下がることによって冷房や暖房が効きにくくなり光熱費が高くなるというケースもあるのです。
4.外壁材の劣化が早まる

外壁塗装には、外壁材を保護する役割もあります。
外壁材は、塗装で保護をしないと劣化が早くなるという問題があります。
外壁材の劣化が進行することで、ハガレが発生したり、チョーキングと呼ばれる粉が発生したりすることがあります。
ひび割れの発生リスクも高まり、雨漏りが発生しやすくなるでしょう。
5.建築材の劣化が早まる

外壁材が劣化しただけでは大きな影響は起こりません。
しかし、放置することで柱などの建築材に水分が染み込み、致命的な問題につながります。
建築材は、建物を支える重要な部位です。
建築材が劣化することで住宅が傾くといった危険もあるので、外壁塗装を行って早めの対策をしましょう。
6.虫が侵入しやすくなる

外壁塗装をしないと外壁材にひび割れが発生しやすくなります。
ひび割れによって隙間が生まれると、虫が室内に侵入してくる危険性があります。
侵入してくる代表的な虫としては、アリやチョウ、蛾(ガ)などが該当します。
ムカデが隙間を縫って進入してくることもあるでしょう。
ムカデは毒性がある虫ですので、単に不快なだけでなく身に危険を及ぼす危険性も考えられます。
7.補修費用が増える

外壁塗装をしないことで、外壁材や建築材が劣化して補修費用が増えてしまうという問題も発生します。
主な外壁の補修費用の例としては、以下があります。
- ひび割れ補修:1~5万円
- 目地のシーリング:打ち増しで5~20万円、打ち替えで5~50万円
- 雨漏り:1〜50万円
- 汚れ落とし:2~5万円
外壁塗装だけであれば、どんなに高くても200万円とかかりません。
しかし、外壁を放置して建築材まで劣化すると、住宅の建て直しまで検討しなければなりません。
建て直しの場合、工事に2,000万円以上が必要となるので、長期的に考えれば外壁塗装をしないことは大きな損となってしまいます。
8.カビやコケが生えやすくなる

外壁塗装に使う塗料にはカビやコケを防止する機能が備わっています。
もし外壁塗装を行わず放置していると、外壁にカビやコケが発生して見栄えが悪くなるのです。
コケは悪臭が発生する要因となりますので、住む人だけでなく周辺住民にも迷惑がかかる可能性があります。
9.悪徳業者に狙われやすくなる

外壁塗装をしなければ家がボロボロになってしまいます。
そこに目をつけるのが悪徳なリフォーム会社です。
通常のリフォーム会社なら個人の家にいきなり訪問してくることはありません。
しかし、悪徳業者はボロボロの家を見たらターゲットとしてセールスを仕掛けてきます。
「今すぐリフォームしないと危険です!」と口車にのせられて、思わぬトラブルに発展しないよう、訪問営業をしてくる業者には注意してください。
10.地震で崩れやすくなる

外壁塗装をしなければ外壁の耐久性が低下します。
耐久性が低下すれば、外壁や建築材が地震で崩れやすくなります。
地震で壁がはがれると、周囲にいる方に被害が及びます。
最悪の場合は住居が崩壊するというリスクも考えられるでしょう。
特に、屋根は崩れやすい傾向にあるので、10年に1度は塗装をして耐久性を維持しておきたいところです。
まとめ:外壁塗装をしないと補修時に費用が余計にかかるので要注意!

外壁塗装をしないで放置すると、長期的に考えれば補修費用が増えてしまう可能性が高いです。
補修をしなかった場合はスキマ風や雨漏りが起こるため、外壁の劣化を放置することはとても危険な行為といわざるを得ません。
外壁塗装をすると一時的には費用は発生しますが、安心して暮らしたいのなら定期的に塗装しておきたいですね。
外壁塗装の業者選びや費用の詳細については「外壁塗装の疑問を元プロがすべて解消!費用や種類から、色、助成金、DIYまで」で解説しています。
工事に失敗したくない人は必ずチェックしましょう。