ケイカル板の塗装は自分でできる?適した塗料や費用から塗装方法まで解説

ケイカル板2(軒天)

「ケイカル板は自分で塗装できるの?」

「ケイカル板の塗装にかかる費用や使える塗料を知りたい」

このような疑問を持つ人が多くいます。

ケイカル板の塗装についてよく理解しないまま進めてしまうと、塗装の効果を十分発揮できないかもしれません。

この記事では、ケイカル板の塗装を考えている人の疑問に順番にお答えしていきます。

具体的には、以下のような内容を解説します。

  • ケイカル板を塗装する目安や度合い
  • ケイカル板の塗装を自分でできるかどうかの判断
  • ケイカル板に使える塗料の種類
  • ケイカル板の塗装にかかる費用
  • ケイカル板を塗装する手順

ケイカル板を塗装する前に、記事を読んで内容を把握しておけば、失敗を避けやすくなるでしょう。

ケイカル板を塗装する目安や度合い

ケイカル板2(軒天)

ケイカル板を塗装するときには、適切な目安や度合いを見計らうことが大切です。

塗装のタイミングは、屋内と屋外で分けて考えます。

屋内と屋外それぞれで、適切な目安や度合いを確認しておきましょう。

ケイカル板の塗装は屋内では10年が目安

ケイカル板の塗装は、屋内では10年を目安にするのが適切です。

ケイカル板は塗装していますが、塗り直しのタイミングは塗料の耐用年数に関係しています。

塗料の耐用年数は10年前後のものが多く、その時期になると劣化が進んできてしまいます。

特に、表面に触れるとチョークの粉のようなものがつく「チョーキング現象」は、劣化のサインです。

チョーキング現象が見られたら、10年たっていなくても、早めに塗装メンテナンスを行うようにしましょう。

ケイカル板の塗装は屋外なら早まる可能性がある

ケイカル板の塗装のタイミングは、屋外なら早まる可能性があります。

ケイカル板は、屋外では軒天(のきてん)に使用されることが多い建材です。軒天とは、外壁から延びている屋根の裏側のことです。

屋外にある軒天は雨風にさらされるため屋内よりも環境が悪く、劣化が速く進みます。

そのため塗料の耐用年数にかかわらず、早めに塗装メンテナンスをするのがおすすめです。

目安として、築7年前後で塗り直しをしておくと、結果的に長持ちさせることにつながります。

ケイカル板自体が劣化しているのなら塗装ではなく張り替えが必要

ケイカル板自体が劣化してしまっているときには、塗装ではなく張り替えをしましょう。

たとえば、ケイカル板自体がヒビ割れしている場合には、塗装をしても修復はできません。

塗装ではなく、張り替えなければ、はがれ落ちるといった危険があります。

また、ケイカル板に染みがついているときには、屋根裏や他の隙間などから雨漏りしている可能性があるので要注意です。

雨漏りチェックをかねて、ケイカル板を取り外して張り替えることをおすすめします。

張り替えるときには、染みがついている一部分だけではなく、全部を張り替えるようにしてください。

一部分だけ張り替えると、メンテナンス時期がずれ、塗装の回数が増えることになってしまいます。

ケイカル板の塗装は自分でできる?

塗装道具 スポンジローラー

ケイカル板は、場所によってはDIYでの塗装もできます。

しかし、ケイカル板の塗装に限らず、基本的に塗装業務は業者に依頼するのが無難です。

ここからは、ケイカル板の塗装がDIYできるケースと、業者に依頼するほうがよいケースを解説します。

屋内の天井や1階部分の軒天ならDIYで塗装できる

ケイカル板が使用されているのが、屋内の天井や1階部分の軒天であれば、DIYで塗装ができます。

基本的に、脚立に立って手が届く範囲であれば、自分で塗装が可能です。

しかし、天井や軒天を塗装するときには、常に手を上げ、顔も上に向けての作業になります。

塗装職人であっても、長時間作業するには厳しい姿勢になり、慣れていなければ大変です。

壁のように垂直な面なら問題ありませんが、天井や軒天であれば、DIYでの塗装は避けたほうが無難です。

2階部分の軒天など高所は業者に依頼する

2階部分の軒天など、高所にあるケイカル板の塗り直しは、業者に依頼するようにしましょう。

高所の塗り直しは、転落の危険がともなう作業になるので、しっかりした足場を組む必要があります。

ホームセンターでは背の高い脚立も売っていますが、踏み外すと大きな事故につながり大変危険です。

高所作業がともなうケイカル板の塗装は、安全を優先し、業者にお願いするようにしてください。

ケイカル板の塗装に使う塗料

中塗りと上塗り

ケイカル板の塗装には、水性塗料が適しています。

一般的には、水性シリコンシーラーで下塗りし、水性塗料で仕上げます。

水性塗料と一口に言っても、複数の種類があり、それぞれ価格と耐用年数が異なります。

ケイカル板の塗装で、よく使用される塗料の価格と耐用年数を、表にまとめました。

塗料の種類価格(平方メートル)耐用年数
アクリル1,840〜2,970円5〜7年
ウレタン2,100〜3,100円8〜10年
シリコン2,730〜4,140円10〜15年

価格が安いアクリル塗料は、1回の塗り替えコストは安くてすみます。

しかし、耐用年数が短いため、メンテナンス周期は短くなる点に注意しましょう。

対してシリコン塗料は、1回のコストは高くなりますが、塗り替えの回数は少なくなります。

ケイカル板の塗装に使用する塗料を選ぶときには、価格と耐用年数をよく考えて選ぶようにしましょう。

ケイカル板の塗装にかかる費用

費用2

ケイカル板の塗装にかかる費用を、DIYと業者に依頼した場合それぞれで紹介します。

それぞれの費用を比較して、自分に適した方法を見つけましょう。

ケイカル板の塗装をDIYする場合にかかる費用

ケイカル板をDIYで塗装する場合にかかる費用は、使用する塗料の種類によって異なります。

塗料以外に必要となる費用は、以下の最低限必要な道具のみをそろえた場合で、1〜2万円程度です。

  • マスキングテープ(はがしても跡が残らないテープ。養生シートを張る場合に主に使用)
  • 養生シート(壁などに汚れがつかないように張るシート。新聞紙で代用可)
  • ブルーシート(床などに汚れがつかないように敷くシート。新聞紙で代用可)
  • ローラーセット(ローラーと塗料がセットになったものが望ましい)
  • ハケ(ローラーが届かない細かい部分を塗るときに使用)

これ以外に、天井などの高所であれば脚立が、外部であれば汚れを落とすための高圧洗浄機などが必要です。

特に外部の場合、高圧洗浄機でしっかり汚れを落とすことは、塗装メンテナンスを成功させる鍵となります。

業務用の高圧洗浄機を使用するほうが確実なので、DIYではなく業者に依頼するのがおすすめです。

ケイカル板の塗装を業者に依頼する場合にかかる費用

ケイカル板の塗装を業者に依頼する場合の費用は、塗装面積や場所によって変わります。

特に2階であれば、危険防止のためにしっかりとした足場を組む費用が必要です。

また、塗装にかかる費用は、使用する塗料によっても大きく変動することが特徴です。

塗装を業者に依頼した場合にかかる費用の目安を、一覧にしました。

作業内容単位単価の目安
足場の設置・解体架平方メートル700〜950円
養生シート架平方メートル350〜450円
高圧洗浄平方メートル150〜250円
下地処理平方メートル200〜2,000円
シリコン塗装平方メートル2,730〜4,140円
軒天平方メートル900〜1,420円
諸経費一式工事総額の5〜15%

屋外の高所にある軒天の塗装をするときには、足場を組まなければなりません。

しかし、同じタイミングで外壁や屋根も一緒に塗装すると、足場代を節約できます

業者に塗装を依頼するなら、同時に塗装が必要な箇所がないかも、あわせてチェックしてもらうのがおすすめです。

ケイカル板の塗装方法

外壁塗装

ケイカル板の塗装は、以下のような順番で実施します。

  1. 高圧洗浄
  2. ケレン
  3. 養生
  4. 下塗り
  5. 上塗り2回

それぞれ詳しくチェックしていきましょう。

高圧洗浄

外部においては、高圧洗浄をかけてしっかり汚れを落とすことは、とても重要な作業です。

汚れが残っていると、ケイカル板に塗装が密着してくれません。

室内の場合は、ぬれ雑巾を使用してしっかり汚れを落としましょう。

ケレン

ケレンとは、下地を調整する作業です。

凹凸を削り取り、塗料が密着するように滑らかにします。

養生

塗料が不要な部分につかないよう、シートやテープなどで覆う作業です。

適切な工事をできる業者は、養生作業が細かくていねいです。

下塗り

上塗りの塗料が十分に密着するよう、下塗り剤(シーラー)を塗ります。

下塗りを怠ると、塗料がすぐにはげてきてしまうため必ず実施しましょう。

上塗り2回

下塗りが十分乾燥したら、上塗りは2回行います。

1回目の上塗りが乾燥したのを見計らって、2回目を塗るようにしましょう。

乾燥時間は塗料の缶に記載されているので、必ず確認するようにしてください。

塗装中に雨に濡れてしまうと仕上がりが悪くなり、塗装の効果も落ちてしまう可能性があります。

ケイカル板を塗装するときは、塗装の乾きがよい晴天が続く期間を選びましょう。

ケイカル板の塗装を依頼する業者の選び方

ポイント

ケイカル板塗装を依頼するときの、業者を選ぶポイントを3つ解説します。

工事前に把握して失敗を避けましょう。

相見積もりをする

相見積もりとは、同じ工事条件で、複数の会社に見積もりを依頼することです。

費用や工事内容を見比べることで相場を知り、極端に高い、あるいは安いなど、明らかにおかしい業者を除外できます。

悪徳業者にひっかかる可能性をかなり減らせるので、相見積もりは必ず行いましょう。

施工実績を確認する

ホームページや資料などを確認し、どの程度の施工実績があるのかをチェックしましょう。

塗装業者のなかには「施工実績1000件!」などとうたいながら、実績写真をまったく掲載していない会社もあります。

施工実績を多数掲載し、工事の様子がわかる業者なら、施工内容に自信があることが想像できるため安心です。

自社施工している地元の塗装業者を選ぶ

塗装業者は、自社施工している地元の塗装業者を選ぶことをおすすめします。

大手のハウスメーカーやゼネコンは、塗装の依頼を受けても、実際には塗装専門業者に下請けに出すことがほとんどです。

その場合、ハウスメーカーやゼネコンは自社の利益を出すために仲介手数料を上乗せするため、価格が高くなりがちです。

地元の施工業者に直接依頼すれば、仲介手数料が不要になります。

トラブルがあったときでも、すぐにかけつけてくれるなど、迅速な対応が期待できるでしょう。

ケイカル板の塗装は業者に依頼がおすすめ

ケイカル板3

ケイカル板の塗り直しは、屋内の天井であれば、DIYで進めることも、決して無理ではありません。

しかし、上を向いての作業になるのでかなり大変になることは、覚悟しておきましょう。

高圧洗浄が必要になる屋外や、足場を組む必要があるような高所であれば、最終的な仕上がりや安全性を優先し、業者に依頼するようにしてください。

業者を選ぶときには、相見積もりをしたうえで、自社施工している地元の業者を選ぶのがおすすめです。

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