モルタル外壁の塗装費用を事例で解説! 安くする対策もチェック

外壁 モルタル3

ついつい放置しがちなモルタル外壁のヒビや塗装の剥がれ。

しかしモルタル外壁の傷みを放置していると、後で大規模補修や工事が必要になる可能性が高くなります。

結局は高額のリフォーム費用が必要に……などという事態は避けたいものです。

しかし早く対策を取りたいと思いつつも、費用面が気になって足踏みしている方も多いのではないでしょうか。

「モルタルの塗装や補修にはどれぐらいの費用がかかるの?」

「モルタル塗装の見積もりをしたけれど……これって適正価格なの?」

「品質を落とさずに費用をおさえて塗装したい」

この記事では上記の疑問に対して、分かりやすく答えています。

モルタル外壁の劣化が気になっている方は、ぜひ最後まで読むことをおすすめします。

自宅がサイディング外壁の場合は「40坪でサイディング外壁を塗装する費用相場は80〜150万円だ!」をご覧ください。

モルタル外壁の補修と塗装どちらをするべき? 費用の違いは?

外壁 塗り壁2

結論から言えば、モルタル外壁の傷みに対して補修や洗浄だけで済むのは、症状が軽いケースのみ。

実際には、補修に合わせて再塗装が必要になる場合が多いので、傷みの種類と対処法を把握しておくことが大切です。

まずは自分の家のモルタル外壁の症状とその対処法・費用目安を、以下の表で確認しましょう。

モルタル外壁の劣化症状

再塗装が必要なケースでは、塗装費用は面積と塗料のグレードによって変わります。

たとえば30坪の家の、外壁全面の再塗装にかかる費用は、60~120万円程度でしょう。

それでは、モルタル外壁の補修と再塗装が必要になるケースの違いについて、さらに詳しく解説していきます。

補修で済むケース

外壁の傷み具合を観察したり指で触れてみて、以下のような状態であれば補修だけですむ可能性があります。

軽いひび割れ

ひび割れの深さが0.3mm未満のいわゆる「ヘアークラック」の場合は、補修だけで済みます。

具体的にはひび割れを洗浄したのち、プライマーやコーキングと言われる材料を充填して、ひび割れ範囲を塗装します。

ちなみに、仕上がりを気にしないのであれば、ホームセンターで買える材料を使ったDIYでも行えます。

コケやカビ、排気ガスの汚れなど

コケ

塗料やモルタル自体に問題がなく、ただ汚れているだけのケースなら、洗浄だけできれいにできます。

洗浄の方法は「高圧洗浄」「バイオ洗浄」の2種類がありますが、汚れの原因によって使い分けるとよいでしょう。

モルタルの汚れ

壁にふれると白い粉が付く

チョーキング1

壁に白い粉が出る場合、「エフロレッセンス(白華)」と「チョーキング(白亜化)」のどちらかが起きています。

モルタル劣化症状

上記のとおり「エフロレッセンス」であれば、洗浄のみで対処できます。

塗り替えを検討すべきケース

モルタル外壁の経年劣化では、さまざまな傷みが出てきますが、その多くは塗り替えが必要になります。

なぜなら、クラックや塗膜のはがれなどから水が入れば、さらに症状が悪化する可能性が高いからです。

以下で塗料の塗り替えが必要なケースを確認しておきましょう。

塗膜が剥がれている・浮き上がっている

ふくれ1

経年劣化によって塗料とモルタルの付着力が低下することで、塗料の膜(塗膜)が剥がれます。

塗料が剥がれると下のモルタルがむき出しになり、雨や太陽光線によってすぐに傷んでしまいます。

はがれや浮きといった症状が出現した場合には小さな範囲であっても、塗料の劣化は全体で起きていると考えましょう。

部分補修で対処してもすぐに別の場所が剥がれてきて、イタチごっこになるケースも多く見受けます。

対処法としては、一度古い塗料を剥がしたうえ再塗装を行います。

モルタル外壁が剥がれたり崩れたりしている

剥がれ2

モルタルの外壁が剥がれて下地の木材や金網が見えているケースでは、補修と再塗装が必要です。

補修や塗装の範囲は、欠損部分のみでよい場合もあれば、全体に及ぶケースもあるでしょう。

補修の方法は、モルタル外壁の剥がれや崩れの原因によって変わりますので、以下の表で確認してください。

モルタル外壁の劣化原因

外壁のカラーや風合いを変えたい

外壁色

補修ではなく、イメージチェンジなどを目的にモルタル外壁を再塗装するケースです。

傷みがない、あるいは少ない状態で再塗装を行うことは、モルタル外壁を長持ちさせる効果も期待できます。

モルタル外壁の塗装にかかる費用相場とその内訳

費用2

モルタル補修に再塗装が必要なケースでは、塗料を選択する必要があります。

塗料は、材料の樹脂の違いにより以下の4つに分類できます。

  1. アクリル系
  2. ウレタン系
  3. シリコン系
  4. フッ素系

単価が高い塗料ほど、高い性能(耐汚性・耐久性など)を持っていますので、予算に合わせて選ぶとよいでしょう。

各塗料の種類や特徴・目安費用などは、以下の表を参考にしてください。

モルタル塗料費用

※上の表の「目安費用」は塗料のみの費用ではなく、塗り替え工事全体でかかる費用を記載しています。

実際、塗料以外にはどのような費用がかかるのでしょうか?

人気の「シリコン系」塗料で塗り替え工事を行った事例で、費用内訳を見てみましょう。

【シリコン系塗料による塗り替えの見積もり事例】

建坪:30坪

塗装面積:124.0㎡

モルタル外壁のシリコン塗装費用

モルタル外壁の塗装事例で費用目安を把握しよう

同じ建坪の家・同じ業者であっても、見積もり金額は決して同じになることはありません。

金額の差はなぜ生まれるのでしょうか?

モルタル外壁の費用が変わる要因は以下の3つです。

  • 外壁の傷み具合
  • 外壁面積(家の形・何階建てかなど)
  • 使用する材料のグレード(主に塗料)

上記3つの要素において自分の家に近い事例を知ることで、より費用の目安が分かります。

以下では築年数や建坪の違う3つの事例をご紹介しますので、参考にしてください。

築20年・25坪の平屋住宅:約60万円

外壁面積:102.0㎡

塗料:ウレタン系

モルタル外壁のウレタン塗装費用

築30年・28坪の2階建て住宅:約66万円

外壁面積:118.0㎡

塗料:シリコン系

モルタル外壁のシリコン塗装費用

築30年・40坪の2階建て住宅:約102万円

外壁面積:162.0㎡

塗料:ピュアアクリル系(シリコン並の耐久性がある高品質アクリル塗料)

モルタル外壁のピュアアクリル塗装費用

モルタル塗装の費用を安くする方法

費用

ここでは、モルタルの塗装費用を少しでもおさえるためのポイントを3つご紹介します。

自社施工の業者に依頼する

モルタル塗装の工事では、関わる業者の数が多くなればなるほど費用が高くなります。

関わる業者が複数になる具体的なケースは2パターンあります。

  1. 大手リフォーム会社に依頼したが、実際の工事は下請けや孫請けが施工した
  2. 地元の塗装業者に依頼したが、下地補修など工程毎に違う業者が来て施工した

特にパターン1ではマージン(仲介料)が発生しており、下請けは安い金額で工事を請け負います。

マージンが発生する業者だと、手抜きや不適切な工事につながりやすいので注意が必要です。

すべての工程を自社施工している業者を選ぶことで、費用をおさえましょう。

悪徳業者を避ける

素人には判断が難しいモルタルの補修や塗装工事では、悪徳業者にだまされる人が後を絶ちません。

費用を安くする直接的な方法ではありませんが、悪徳業者に関しては絶対に知っておくべきでしょう。

悪徳業者は、素人が症状や補修方法を知らないことにつけ込んで法外な金額を提示した後、大幅な値下げを行います。

値下げ後の金額も、通常の2倍前後で提示してくるでしょう。

悪徳業者に引っかからないためには、相場を知っておくことが重要です。

事例でもご紹介したとおり、30坪の外壁塗装は60~120万円程度が目安です。

もしも200万円などの金額を提示された場合には、悪徳業者の可能性を警戒しましょう。

10年に1度は塗り替える

どんなに腕のいい職人が良質な塗料で塗装工事を行ったとしても、徐々に劣化は進んでいきます。

たとえば、築10年と築40年の外壁を比べると、劣化の度合いにはかなり大きな差が出ます。

築10年程度であれば、塗料の劣化だけで済むケースが多いでしょう。

しかし40年間放置した外壁は、モルタルはもちろん、下地や構造体にまで腐食が進んでいるかもしれません。

虫歯と同じように、モルタル外壁も小さな傷みのうちにメンテナンスすることで、費用をおさえることができます。

塗料の耐用年数にもよりますが、10年に1度であれば補修することなく、塗り直しだけですみます。

まとめ:30坪の家のモルタル塗装費用は60万~120万円程度

外壁塗装

日本の住宅に最も多いサイズである30坪の家。

その30坪の家のモルタル外壁塗装にかかる費用相場は、60万~120万円程度です。

30坪の塗装費用を知っておくことで、20坪や40坪の費用も予想しやすくなるでしょう。

はじめは小さな傷みでも、放置するほど大きな傷みにつながり、結局は費用がかさみます。

費用をおさえるコツとしては、自社施工の業者を選び、小まめにメンテナンスを行うことです。

この記事からモルタル塗装の適正価格・適正工事を知ることで、大切な家の外壁を長持ちさせていただければ幸いです。

塗装の費用を抑えるためには相見積もりが最適です。