シリコン製コーキングを重ね塗りするメリット・デメリットと費用相場

シーリング

「シリコン製コーキングは重ね塗りできるの?」
「シリコン製コーキングを重ね塗りする費用を知りたい」

このような悩みを抱えてはいないでしょうか。
シリコン製コーキングの重ね塗りについてよく理解しないまま進めてしまうと、コーキングの効果を十分に発揮できず、失敗してしまうかもしれません。

この記事では、シリコン製コーキングの重ね塗りを検討している人の疑問にお答えしていきます。

具体的には、以下のような内容を解説しています。

・シリコン製コーキングの重ね塗りの概要
・重ね塗りするメリットとデメリット
・重ね塗りを検討するケース
・シリコン製コーキングの重ね塗りの費用相場
・シリコン製コーキングを重ね塗りする手順

シリコン製コーキングを重ね塗りする前にこの記事を読むことで、失敗を防ぎやすくなるでしょう。

シリコン製コーキングの重ね塗りとは?

外壁 コーキング3

シリコン製コーキングの重ね塗りとは、既存のコーキングの上に新しくコーキングを塗り足すことです。
重ね塗りは、増し打ちとも呼ばれ、今打たれているコーキングの劣化が気になるときに行います。
ただし、基本的に重ね塗りは、既存のコーキングを取り除いて新しく打ち替えることが難しい場合や、長期の効果を必要としないときにのみ実施する工法です。

既存のコーキングの上に新たに塗り重ねても、もともとのコーキングの性能が回復するわけではないからです。
そのため既存のコーキングの重ね塗りは、基本的にはおすすめできません。

シリコン製コーキングの劣化が気になるときには、重ね塗り以外に既存のコーキングを撤去して、新しくコーキングする打ち替えと呼ばれる方法があります。

シリコン製コーキングを重ね塗りするメリットとデメリット

外壁 ALC

シリコン製コーキングを打ち替えるのではなく、重ね塗りするメリットとデメリットを紹介します。

シリコン製コーキングを重ね塗りするメリット

シリコン製コーキングを重ね塗りするメリットは、工事費を安く抑えられることです。

コーキングを重ね塗りすると、既存のコーキングを撤去する手間がないため、打ち替えに比べて工期が短く済みます。
また、今詰められているコーキングの上に塗り足すだけなので、使用する量が少なく、材料費を抑えられるのです。

よって、打ち替えと比較すると工事費が安くなります。

シリコン製コーキングを重ね塗りするデメリット

シリコン製コーキングを重ね塗りすると、既存のコーキングと密着できずに短期間で剥がれ落ちてしまったり、防水機能を発揮できなかったりする場合があります。

せっかく費用をかけて重ね塗りしたのに、効果が期待できない可能性があることがデメリットです。
シリコン製コーキングの重ね塗りは、応急処置と考えておきましょう。

シリコン製コーキングの重ね塗りを検討するケース

シーリングひび割れ

コーキングは、外壁からの雨水の浸入を防止する、地震による振動を吸収して家を守るといった大切な役割を果たしています。
そのため、可能な限り、重ね塗りせず打ち替えをすることが基本です。

ただし、以下のようなケースでは、重ね塗りを検討することになります。

・既存のコーキングの撤去が難しい
・構造上、カッターが差し込めない
・短期の応急処置でいい

たとえば、サッシの形状によっては、既存のコーキング材を撤去するためのカッターの刃を差し込めないことがあります。
そのようなケースでは、既存のコーキングを完全に取り除くのが困難です。

きれいに取り除けなかった場合、外壁材と密着せず、剥がれてきたり、隙間が空いてしまったりして、防水機能が発揮できない可能性があります。

カッターを入れることにより、既存の外壁下の防水シートを切る可能性がある構造になっている場合も、重ね塗りを選択します。
防水シートを傷つけると雨漏りの原因になってしまうので、無理に打ち替えすることなく、重ね塗りで対応する必要があります。

また、家の建て替えが近い場合や、コーキングの劣化が気になるけど打ち替えるコストをかけたくないという状況でも、重ね塗りでしのぐことが可能です。

シリコン製コーキングで重ね塗りをする際の費用相場

見積書

シリコン製コーキングで重ね塗りをする場合の費用は、以下が目安となります。

表

たとえば、平均的な2階建て40坪の一軒家で、シリコン製コーキングを重ね塗りする長さが300mと仮定した場合、重ね塗りには500〜900円×300m=150,000〜270,000円が目安になります。

工事には足場も必要となり、上記の2階建て40坪の一軒家のケースでは、約325平方メートルと仮定して260,000円ほどかかります。

さらに、マスキングテープを貼るなどの施工費用が10万円前後発生するため、40坪の2階建てなら合計で51〜63万円程度を目安にすると良いでしょう。

シリコン製コーキングで重ね塗りする手順

シーリング3

シリコン製コーキングは、場合によっては重ね塗りを行うケースがあることがわかりました。
それでは、実際に重ね塗りするときの手順を見てみましょう。

養生

養生は、シリコン製コーキングがはみ出して外壁材を汚さないように、隙間にあわせてマスキングテープを貼る作業です。

プライマーを塗る

プライマーは、既存のコーキングと新しいコーキングを接着させる役割を果たす下地材です。
古いコーキングの上に、塗り忘れがないようにハケで丁寧に塗っていきます。

コーキング材を塗り重ねる

コーキングガンと呼ばれる専用の道具を使用し、シリコン製コーキングを既存のコーキングの上に塗り重ねていきます。
盛り上がるように、少し厚めに塗り重ねるのがポイントです。

ヘラでならす

既存のコーキングとの間の空気を押し出して密着させるため、ヘラを使って押さえこむようにして平らにならしていきます。

養生をはがす

シリコン製コーキングが乾いてしまう前に、マスキングテープを剥がします。
乾いてしまってから剥がすと、固まったコーキングがテープと一緒に剥がれてしまうため注意が必要です。

重ね塗り以外でシリコン製コーキングを補修する方法

外壁 ベランダ 防水4

重ね塗り以外でシリコン製コーキングを補修する方法に、打ち替えがあります。
打ち替えは、既存のコーキングを完全に取り除いてから新しいシリコン製コーキングを充てんする方法です。

重ね塗りと違い、完全に新しいコーキング材で隙間が埋まるので、防水機能を新築のようによみがえらせることができます。

一方、既存のコーキングを取り除く手間と時間が発生すること、重ね塗りよりもたくさんのシリコン製コーキングを使用するので費用が高くなることがデメリットです。

一般的に、重ね塗りは応急処置をするときや、打ち替えができない場所に限って行い、コーキングの補修としては打ち替えするのがおすすめです。

シリコン製コーキングの補修は塗り替えと同時に打ち替えを実施しよう

外壁塗装の専門家

シリコン製コーキングの補修は、既存のコーキングを取り除き、新しく充てんする打ち替えをしたほうが、防水機能が復活する、長持ちするなど良い結果を得られます。

ただし、建て替えが近い、サッシ周りを補修するといった打ち替えが難しいケースでは、重ね塗りも可能です。

シリコン製コーキングの補修を行うときには、重ね塗りでも打ち替えでも、高所作業が発生するので足場を組む必要があります。
コストを抑えるのであれば、外壁塗装と同時に実施するのがおすすめです。

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