「ウレタン防水工事の費用が高い……」
見積もりを見て思わずビックリしたことはありませんか?
塗装工事やシーリング工事と比べて、ウレタン防水工事の単価は高い事が多いでしょう。
ウレタン防水は他の工事と比べて材料代が高いから、というのが大きな原因の一つだと考えられます。
防水工事をおこたると漏水などの深刻な問題につながるので、しっかりと施工をしてもらうことがオススメですが、少しでも費用を安く収めたいところでもありますよね?
この記事では「ウレタン防水の費用を少しでも安く収めたい!」、「そもそもウレタン防水の平均的な単価ってどれくらいなの?」という疑問にお答えしていきます。
具体的には下記の内容を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
- 安くウレタン防水工事をお願いする方法
- ウレタン防水は、工法や会社で単価が変わる?
- ウレタン防水の各工法と単価相場は?
- なんで防水工事が高いのか?
- 見積もりを確認するときに見ておきたいポイント
ウレタン防水の施工内容と相場単価

ウレタン防水には工法が3種類あり、それぞれで向いている場所や単価が変わってくるので使い分けが重要です。
工法は以下の3種類があり、工程の数が変わるため材料代や人件費に差が生まれます。
- 密着工法
- メッシュ工法
- 通気緩衝工法

単価と、オススメの施工場所は以下を参照してください。
次に具体的に各工法の説明をします。
密着工法
基本的なウレタン防水の施工方法です。
ウレタンを2回流すことで2mm以上の厚みを持つ膜を作ります。
ウレタン防水は他の防水工事と異なり、以下の特徴を持ちます。
- 継ぎ目がないから水が漏れにくい
- 液体なので、複雑な場所でも施工できる
メッシュ工法
ウレタン防水の欠点の一つとして、「ひび割れしやすい」というものが挙げられます。
メッシュ工法はひび割れ対策として生まれました。
密着工法と違い、ウレタンを流す前にガーゼのような布状のガラス繊維のメッシュを施工対象部に貼り付けることで、引っ張りに強くしてひび割れを防ぎます。
全体にメッシュを貼り付けるケースもありますが、素材が変わるジョイント部分に貼り付けることが最も重要です。
(床と、後付けの手すりのコンクリート基礎部分や、塩ビ管など)
素材が異なる場所は、熱での伸縮率や、揺れた際の動き方が変わるためひび割れやすいのです。
通気緩衝工法
屋上は家の中の湿気を排出する必要があります。
屋上にウレタンを直接流してしまうと湿気の抜け道がなくなるため、防水層と屋上の下地の間に水が溜まってしまいます。
水がたまることで、ウレタン防水の膨れや剥がれの原因となり防水層の劣化へつながります。
通気緩衝工法は、屋上の下地とウレタン防水の間に湿気の通り道としてシートを貼り付けて、湿気の抜ける脱気筒(だっきとう)を付けるという工法です。
ウレタン防水の3工法で必要な材料
それぞれの工法で必要な材料は異なります。
以下を参照してください。

通気緩衝工法では、屋上の下地と通気緩衝シートで建物が揺れた際に動き方が変わるため、境目にメッシュを貼ります。
このように各工法で使う材料やウレタン防水材の使用量、工程数が変わるため、単価も違うのです。
防水処理をおこたると漏水の原因となり、建物の劣化が急激に進みます。
このため防水工事はとても大切です。
他の工事よりも材料代が高くなるのは、それだけ水の被害を防ぐことが難しいということでもあるので、ある程度は仕方がないでしょう。
各工法の説明を参考に適材適所の工程を選び、費用の見直しをすることも大切です。
ウレタン防水の費用や単価の計算方法

こちらではウレタン防水の単価が高くなる理由と、見積もり例を紹介します。
以下を参考にしてください。
単価が上がる理由
単価が上がる理由として考えらえるのは以下の3点です。
- 下地が悪い
- 工事がしにくく広さの割に手間がかかる
- 技術力がある
1.下地が悪い
基本的に見積もりの内訳には下地補修が含まれます。
下地補修で割り増し料金が発生するケースとして以下の3点が考えられます。
- ボコボコしていてウレタンで平らにならない
- 欠損が大きく数が多い
- 既存のウレタンの浮きやふくれが多い
その他、通常よりも補修に時間や手間がかかる場合は、追加料金が発生することがあります。
補修を断ると、仕上がり時の見栄えや水はけが悪くなることが考えられます。
2.工事がしにくく広さの割に手間がかかる
極端にエアコンの室外機が多いなど、障害物が多く通常よりも日数がかかることが想定されると、人件費の分請求額が高くなることがあるでしょう。
3.技術力がある
キチンとした施工をおこなう分、値引きをしなくても施工依頼が来る業者だと1日当たりの職人の人件費である人工(にんく)が割り増しになります。
このため工事費用が増える場合があります。
ウレタン防水工事の見積もり例
下の一覧は見積もりの一例です。

見積もりが坪で記載されている場合、「1坪=約3.3平方メートル」です。
おおよその大きさや広さの見当をつけたいときは参考にしてください。
ウレタン防水の見積もりにおける単価などのチェックポイント

ウレタン防水の見積もり表を見る際のチェックポイントは次の2点です。
- 相場にあった単価である
- 工程、工法の記載がある
詳しく説明していきます。
相場にあった単価である
相場に合っているかは、「相見積もり」で確認を取りましょう。
「相見積もり」については後ほど詳しく紹介しますので、そちらを参考にしてください。
工程、工法の記載がある
工程や工法の記載がないと具体的な作業がわからないため「適切な施工方法が選択されているのか?」「適切な工程で作業がすすめられているのか?」という疑問が残ってしまいます。
最悪の場合は、「記載していないのだから何をしてもいい」という悪徳業者に施工を依頼してしまうことも考えられるため、キチンと確認を取りましょう。
ウレタン防水の業者選びから施工完了までのチェックポイント

ウレタン防水工事の依頼から施工完了までの間にはチェックしておきたいポイントが3つあります。
- 相見積もりで相場をチェック
- 防水施工技能士の人数で技術力をチェック
- 施工写真で工程飛ばしがないかチェック
以下で解説していきます。
相見積もりで相場をチェック
相見積もり(あいみつもり)は複数業者から見積もりをとって、施工内容や価格を比較することです。
標準的な施工内容と、相場価格を把握したうえで、ある程度の値段交渉の材料にもできるのでとても重要です。
注意点は以下の2つです。
- 極端な値段交渉はしない
- 業者を選んだら、他の業者に断りをいれる
1.極端な値段交渉はしない
値段を極端に下げると、工程を抜かさないと業者に利益が出ない場合があります。
そのため、せっかくお願いしても不十分な施工となってしまうかもしれません。
極端に値段を下げてでも依頼を請ける業者というのは、工程を抜かすことが当然の手抜き業者の場合もあるため気を付けましょう。
2.業者を選んだら、他の業者に断りをいれる
他の業者もあなたの依頼を受ける準備をしています。
そのため他のお客さんからの依頼を断っている可能性があります。
業者を選んだら、できるだけ早く選ばなかった業者にも連絡をするのがスマートです。
防水施工技能士の人数で技術力をチェック
防水施工技能士は2級と1級があります。
1級を受験するには7年の実務経験が必要なため、決して簡単なものではありませんし、受験するのにも費用がかかります。
防水施工技能士がいる業者は技術力が高く、受験費用も会社負担の可能性が高いので、その分教育にも力を入れているしっかりとした業者であると考えられます。
業者にホームページがあるなら確認をとって、防水施工技能士の人数を把握しておくのも業者選びのヒントになります。
施工写真で工程飛ばしがないかチェック
施工写真(各工程ごとに写真を撮ること)を撮っているということは工程を省いていない証拠と考えられます。
工事の写真を施工後にもらえるよう事前に打ち合わせをしておくことがオススメです。
写真の場所だけキチンと施工している場合も考えられるので、工程ごとに報告をもらえるようにしておくことも大切です。
ウレタン防水の費用を抑えたいなら業者に直接依頼しよう

大手のゼネコンや工務店は自社施工をおこなわず、2次、3次、4次請けの業者が施工することがほとんどです。
そういった業者に工事見積もり依頼をすると、中抜き前提の金額が請求されるため価格が高くなります。
施工会社に直接依頼をしたら、中抜き分のコストがかからないため金額が安くなります。
金額だけで見ると施工会社に依頼した方が得ですが、改修工事全般をしてもらいたい場合は、ゼネコンや工務店に頼むと必要な業者をすべて手配し管理してくれるというメリットがあります。
また直接依頼をしてしまうと、防水面の他にも存在しているお家の欠点を見落としてしまい、2度手間になることも考えられるため、キチンと確認をとっておく事が必要です。
まとめ:ウレタン防水の単価を把握してから業者を探そう

ウレタン防水は、塗装やシーリング工事と比べると施工の際の工程が多く、材料代も高いためどうしても単価が高くなってしまいます。
しかし、家の劣化を防ぐのにとても重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
ウレタン防水は施工性の良さから多くの建物の防水工事の際に選択されている工法でもあります。
施工会社に直接依頼をして価格を安くするのも有効な手段ですが、改修に必要な業者を自分で探さなくてはいけない手間があります。
ゼネコンや工務店に依頼をすると、費用が高くなる代わりに改修に必要な業者の手配と、工事中に各業者の管理をしてもらえるお手軽さがあります。
ゼネコンや工務店を選んでも、施工会社を選んでも、依頼するまではお金がかかりません。
色々な業者に見積もりを出してもらって、相談することをオススメします。
ウレタン防水についてもっと詳しく知りたい人は「ウレタン防水3工法のおすすめ施工場所とメンテナンス手順」も確認してみてください。