ウレタン防水は、どれくらいで固まるの?硬化時間と、硬化不良について

ウレタン防水2

「改修工事でベランダの床や側溝に塗装をしていて、洗濯モノが干せない…… 」

ベランダの床や側溝にほどこしている塗装は、ペンキを塗る塗装とは違い「ウレタン防水施工」という防水工事で、塗装とは全くの別物なのです。

工事が完了するまで数日かかるので、こっそりベランダに入りたくなってしまうかもしれません。

しかし、それは以下の3つの理由でおススメできません。

  1. 固まるまでの時間(硬化時間)が必要
  2. 施工完了までゴミが付きやすい
  3. キチンと固まっていないかもしれない

この説明だけでは上記3点のイメージが付きにくいかもしれませんね。

こちらの記事では、上記3つの詳しい内容のほかに「硬化時間を確かめる方法」や「ウレタン防水材の硬化時間はどれくらいか?」について説明しています。

ウレタン防水材の硬化時間の比較表

ウレタン防水材の主要メーカーのホームページから閲覧可能なカタログを元に、硬化時間についてまとめました。

ウレタン防水 硬化時間1

参照リンク:田島ルーフィングAGCポリマー建材ダイフレックス

硬化時間は目安で、気温、日当たり、湿度によって大きく異なります。

また、ウレタン防水材が硬化していても注意が必要です。

ウレタン防水材はかたまってもゴムのような触感でベタついているため、ゴミやほこりが付きやすいのです。

ウレタン防水材の上に仕上げ材(トップコート)を塗るまでは、触ったり乗ったりしてはいけません。

次に、ウレタン防水材が硬化する仕組みを紹介します。

ウレタン防水材の固まる仕組み

ウレタン防水1

業者が使用するウレタン防水材は、「主剤と硬化剤」をあわせて作る2液タイプのモノがほとんどです。

主剤と硬化剤、それぞれだけでは硬化せず、2つをあわせることで化学反応をおこし硬化します。

硬化時間を左右するのは以下の要素です。

  • 日差しの強弱
  • 湿気の多少
  • 気温の高低
  • 夏用の材料か冬用の材料か

日差しは強ければ強いほど、湿気はあればあるほど、気温は高ければ高いほど硬化時間は早くなります

真夏に日当たりのいいところでウレタン防水施工をすると、早ければ2時間程度で硬化して次の工程に入れる場合もあります。

逆に冬に日があたらない場所でウレタン防水施工をすると、翌日になっても固まり切っていない場合もあります。

材料も夏用は硬化しにくく、冬用は硬化しやすいように作られているにもかかわらず硬化時間にはこのような差が生まれるのです。

ウレタン防水材の硬化時間を早める方法

ウレタン防水

翌日にウレタン防水材が硬化していなくて作業できないようでは困ってしまうでしょう。

ウレタン防水材の硬化時間を早める方法はないのでしょうか。

ウレタン防水材には硬化促進剤があります。

硬化促進剤は、入れすぎると硬化する過程で気泡ができて仕上がりが穴だらけになるので加減が必要です。

ちなみに硬化遅延材はないので、真夏の作業中にウレタン防水材が硬化して使い物にならない状態になることに注意しましょう。

ウレタン防水材には1液の材料もありますが、2液の材料を使用してDIYをする場合は材料を作る量や配合の調整に気を付けましょう。

ウレタン防水材の硬化を時間以外で確かめる方法

ベランダ 防水2

経験を積んだ職人になると、ウレタン防水材が硬化した雰囲気をある程度つかめるようになりますが、DIYの場合はそう簡単にはいきません。

一番確実な方法は、ウレタン防水材を触ってみることです。

「固まってないと指についちゃう!」

という心配はいりません。

触る際に指に水や唾をつけて触りましょう。

ウレタンは油性なので水分をはじく性質があるため、指を濡らしておくことでウレタンがくっつかないのです。

ただし硬化が不完全な状態で次の工程に移ると施工不良のもととなるため、基本的にはカタログの内容をまもることをおススメします。

ウレタン防水材の硬化時間の不足で起こる問題

防水塗装

ウレタン防水材の硬化時間をしっかりとらずに、中途半端な状態で次の工程に移ると施工中にえぐってしまうなど傷をつけてしまうので注意しましょう。

トップコートを塗る場合だと、トップコートの成分によりシワができてやり直しになる場合もあります。

ほかにもウレタン防水材の厚みを標準以上につけると、中膿という現象を起こします。

中膿とはカタログに記載されている時間では表面しか固まらずに、内部が硬化するまでに時間がかかる現象のことです。

中膿の状態で施工すると、力を入れすぎたときにウレタン防水材をへこませてしまいます。

側溝でウレタン防水材をへこませると、その場所に水が溜まってしまい水はけが悪くなってしまうのです。

ウレタン防水材の時間以外で硬化不良が起こる原因

ウレタン防水材を作る際にも硬化不良が生まれる可能性があります。

  • 2液の材料をきちんと混ぜ合わせていない
  • 材料の配合ミス

これらによる硬化不良を起こすと、材料はいくら時間をかけても硬化しません。

硬化不良を起こした場合の対処法

硬化不良を起こす材料で施工した場合は、撤去してシンナーで下地をふき取ってやり直すしかありません。

少しでも硬化不良の材料を残していると、そこが原因で膨れや剥がれが起きてしまいます。

ウレタン防水の作業工程とDIYの注意点

外壁調査

ウレタン防水は以下の工程で作業を行います。

硬化不良を起こした場合は、下の一覧にある4番「プライマー塗布」からやり直したほうがいいでしょう。

ウレタン防水 硬化時間2

各行工程の詳細については、ウレタン防水における3工法の工程を知ろう!工事の種類ごとに手順を解説の記事を参考にしてください。

ウレタン防水における施工完了の目安

「どうしても外で洗濯を干したい!」

そんなあなたに見ていただきたいのが、以下のウレタン防水の施工完了目安です。

トップコートの色で判断

基本的にはトップコートはグレー、白、緑などが多いでしょう。

ウレタン防水材は薄いグレーや青が多いです。

ウレタン防水工期日程の目安

雨が降らなければ、3~5日くらいです。

雨が降ればさらに長くなるでしょう。

張り紙をチェック

業者が、窓やマンションのエントランスの張り紙をはがしたら完了です。

ウレタン防水はトップコートを塗るまでゴミが付きやすく、ゴミがついてしまうと仕上がりが悪くなります。

また、濡れていると滑りやすいので、ウレタン防水の上に乗ると危険です。

モノを置きっぱなしにする、洗濯をバルコニーに干す、などをすると以下のデメリットがあります。

  • 施工できないため完了までの日数が増える
  • 洗濯モノが汚れる可能性がある
  • 修繕積立金がもったいない

雨が続いた場合、「晴れたら外で干したい!」という気持ちはわかりますが、あなたのお家を丈夫に保つために必要な工事なので、グッと堪えたほうが長い目で見ると得になるでしょう。

ウレタン防水をDIYする場合の注意点

ウレタン防水をDIYする時の一番のコツを紹介します。

ウレタン防水はペンキのように塗りつけるよりも、ウレタン防水材を施工場所にたっぷりのせてならすようにしましょう。

塗装だと施工対象がしっかり濡れていれば問題ないのですが、ウレタン防水は表面張力が起こるくらいが理想です。

厚みの目安は、下地が透けていると0.4mm、理想は1mmくらいです。

詳細はウレタン防水はDIYが可能!作業の注意点とおススメのウレタン防水塗料の記事もぜひご覧ください

ウレタン防水の効果時間はメーカー公表のデータを調べておこう

ポイント

ウレタン防水の硬化時間はあくまで目安で、条件によって大きく変わってきます。

指を濡らして触ってくっつかなければ次の工程に入れる場合が多いのですが、硬化不良や施工不良を起こしたら大変です。

基本的にはカタログの内容通りに作業をしましょう。

また業者にも作業手順をキチンと守ってもらいましょう。

ウレタン防水の工程についてはウレタン防水における3工法の工程を知ろう!工事の種類ごとに手順を解説でも紹介しているのでチェックしてみてください。