ベランダ防水塗料の乾燥時間不足が施工不良に?乾燥時間の一覧と短縮方法

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「ベランダの床に剥がれ、ひび割れが……」

業者に依頼をする時に、注意してもらいたいことがあります。

ベランダの床を施工するのは防水屋さんで塗装屋さんではないことです。

ベランダの壁は塗装で、床や側溝部分は防水施工されており、それぞれで役割や施工方法、材料が異なるのです。

ベランダの防水には、ウレタン防水とFRP防水の2種類があります。

ウレタン防水の乾燥・硬化時間は最長24時間、FRP防水は最長130分程度と考えられています。

また、乾燥時間が足らず硬化していない状態で次の施工をすると、不具合が起こりえるので注意が必要です。

こちらでは以下の内容について紹介しています。

  • ベランダ防水材の乾燥時間
  • ベランダ防水材の乾燥時間の短縮方法
  • ベランダ防水の乾燥不足で起こる不具合
  • ベランダ防水の業者選びのポイント

メーカー別のベランダ防水塗料の乾燥時間

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ウレタン防水とFRP防水の材料は複数メーカーが作っていて、さまざまな品種があります。

防水材の品種により、特性や乾燥時間や硬化時間が異なります。

ウレタン防水材とFRP防水材の乾燥時間を載せてある一覧表を、以下に記載しました。

参考にしてみてください。

ウレタン防水の乾燥時間一覧

ウレタン防水材の各材料の乾燥時間は以下のとおりです。

続いてFRP防水材の乾燥時間を紹介します。

FRP防水の乾燥時間一覧

FRP防水材の乾燥時間は添加剤の量や、材料が夏用か冬用かによって大きく異なります。

FRP防水はウレタン防水と比べて材料の乾燥時間は短いです。

続いて以下の内容について紹介していきます。

  • 防水材が固まるのに必要な要素
  • 乾燥時間の短縮方法

工事の際の参考にしてください。

ベランダ防水の乾燥時間を短縮する秘訣

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ベランダの防水工事の乾燥時間は上記の一覧表が基本となりますが、さまざまな条件で乾燥時間は変わるため、あくまで目安として理解しておきましょう。

次に、材料が固まる仕組みについて説明します。

ウレタン防水やFRP防水で使用する防水材をはじめとする溶剤は、1液と2液の2タイプが存在します。

  • 1液タイプ:フタを開けたらすぐ使える
  • 2液タイプ:主材と硬化材を混ぜて使う

1液タイプは、開封後すぐ使用できる代わりに、すぐに使い切らないと固まってしまい無駄となってしまいます。

開封後すぐ使用できる手軽さからDIYの際には1液タイプが選ばれることが多いです。

そのためホームセンターや通販等で購入できる防水材は1液タイプが多いでしょう。

2液タイプは、主材と硬化剤を混ぜ合わせないなら硬化が起こらないため、使う分だけ作ることで使用量の調整が可能です。

1液タイプよりも施工性が高い、内容量が多い、保存性が良いので、専門業者は2液タイプを使用する傾向があります。

専門性が高いため2液タイプは専門店での購入がメインとなります。

1液タイプと2液タイプでは硬化する条件が異なります。

以下の一覧を見てみてください。

どちらのタイプでも気温が高いほど硬化が早くなります。

少しでも効果を早めたい場合は以下の条件で工事を行うことが望ましいでしょう。

  • 晴れた日を選ぶ
  • 夏に施工する
  • 促進剤を使う(2液タイプ)

各条件の詳細は以下で紹介します。

晴れた日を選ぶ

ベランダ防水材は日当たりが良い場所と悪い場所では乾燥時間が大きく異なります。

ベランダ防水施工の工事は曇りよりも晴れた日のほうが乾燥は早くて進みやすいでしょう。

工事日を選べるのなら晴れた日を選んでください。

夏に施工する

夏は以下のように溶剤が硬化しやすい条件が揃っています。

  • 気温が高い
  • 日差しが強い
  • 湿気が多い

問題点は、一度にベランダ防水材を大量に作ってしまい使いきれない場合に、材料を無駄にしてしまうことと、熱中症の危険性が高い点でしょう。

DIYなら材料を無駄にしても費用だけの問題ですみますが、暑さで熱中症が起これば後遺症が残る危険もあります。

無理をせず、体を冷やすグッズを使うといった対策をして熱中症を防ぎましょう。

促進剤を使う

2液タイプの場合は促進剤の利用で硬化が早まります。

特にウレタン防水の場合は、昼にウレタン防水工事を行なっても翌朝に硬化が完了していない場合があります。

硬化していないと次の工程が進められず工事日数が余計にかかるでしょう。

解決策として、硬化促進剤を使用します。

夏場は、条件が良ければ乾燥時間は2時間くらいですむため、硬化促進剤を使用する機会はないでしょう。しかし、冬には役立ちます。

ベランダ防水塗料の乾燥時間が不足した場合に起こる不具合とは?

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硬化が進んでいない状態で次の工程に移ると、どのような不具合が起こるのでしょうか?

主に以下の3点が考えられます。

  • 傷やへこみができる
  • 一層目の硬化がさらに遅れる
  • 表面がグチャグチャになる

それぞれの詳細については、以下を参考にしてください。

傷やへこみができる

硬化する前に次の工程に移ると、傷やへこみを作りながら次の層を形成して後々に補修が必要になります。

補修をしないままでいると傷やへこみが原因で劣化が早まるでしょう。

一層目の硬化が遅れる

1層目が硬化する前に2層目の施工をすることで起こりうる不具合です。

2層目にフタをされた1層目が、本来の乾燥時間をこえても全然硬化しないことがあります。

放置しておけば固まる場合がほとんどですが、硬化してない場所の見分けがつかないため歩行する場合に傷やへこみ作ることがあります。

表面がグチャグチャになる

施工する前の層の硬化よりも、施工している層の硬化が早いとまれに起こります。

溶剤は硬化することで少し縮むのですが、下の層が固まる時に上の層にシワを作るからです。

硬化していない表面を新しい材料に含まれているシンナーが溶かして、ただれた状態になることも考えられます。

トップコートを塗る時に2層目が硬化していないケースで起こりがちな不具合です。

この場合はもうひとつ層を作ったり、不具合の起きた部分を撤去してやり直したりすることで対処します。

ベランダの防水工事はDIYに向いている?

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ベランダの防水工事のDIYは、リフォームのコストダウンのためにも興味がある方が多いのではないでしょうか?

結論からいうと、ウレタン防水なら可能ですがオススメはできません。

理由は以下です。

  • 失敗したら余計にコストがかかる
  • 技術力が仕上がりを大きく分ける
  • 配合間違いにより硬化しないおそれがある
  • 材料が手に入りにくい
  • 熱中症のリスクがある

「なにかできることないの?」

もちろんあります。

日頃、以下のメンテナンスをすることでベランダ防水層の耐用年数やリフォームの費用を抑えられるでしょう。

  • ドレーンをキレイにする
  • 防水層をこまめに掃除する

以下の詳細を参考にしてみてください。

ドレーンをキレイにする

ドレーン(排水溝)には水と一緒にゴミが流れ込みます。

流れ込んだゴミを放置しておくと詰まりの原因となるでしょう。

ドレーンがつまってできた水たまりには、草やコケ、カビが生えるため、防水層が劣化する原因となります。

また、ドレーンは「雨どいとドレーン」「防水層とドレーン」の接合部であるため、もっとも漏水が起こりやすいです。

そのため、ドレーンを清潔にしておくことは雨漏り防止のためにも大切なのです。

防水層をこまめに掃除する

ベランダのへこみや側溝部分に水が溜まっていると、植物などが生える原因となってしまいます。

こまめな掃除でキレイな防水層を保つことは、ベランダの異常に気付けるためオススメです。

ベランダの防水を業者に依頼する時のポイント

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業者に防水工事を依頼する場合は「専門業者と管理業者のどちらに依頼するか?」が問題となります。

  • 専門業者:施工をメインとする職人さんがいる業者
  • 管理業者:ゼネコンやハウスメーカー、工務店のように、専門業者の工程管理や工事をするお宅の近隣への配慮などをメインで行う業者

リフォームの際、防水工事の他に外壁塗装やシーリング工事など、さまざまな専門業者に依頼することが多いため、管理業者に一括管理してもらう方が手軽でしょう。

ベランダや屋上など、ピンポイントで直したい場合は専門業者に依頼しましょう。

その際は、防水工事の資格を保有している職人がいる業者に依頼することをオススメします。

業者に依頼する時には、以下のポイントを参考にしてください。

  • 相見積もりをする
  • 家に来て打ち合わせをする
  • サービス内容が充実している
  • 電話への折り返しがある
  • 施工写真を撮ってくれる
  • 追加対応についても相談に乗る

それぞれの説明をしていきます。

相見積もりをする

複数業者から見積もりを取って業者を選びましょう。

適正価格と工事内容の把握、競争を起こさせることが目的です。

1つの業者に決めたら他の業者には断りの連絡を入れましょう。

予算が低すぎる場合や極端な値下げ交渉は、業者サイドとしても手抜きを避けられなくなるため控えましょう。

家に来て打ち合わせをする

現場をきちんと把握して、適切な提案をするような業者を選びましょう。

信頼できる打ち合わせができない場合は依頼してはいけません。

サービス内容が充実している

見積もり価格は大切ですが、補償サービスや近隣対応の内容を確認することも意識しましょう。

特に施工不良が起こった場合の対応は必ず確認してください。

電話への折り返しがある

誠実な対応がない業者はオススメできません。

電話の折り返しすらない業者は候補から外しても構わないでしょう。

写真を撮ってくれる

打ち合わせ段階で施工前から施工後までの写真、いわゆるビフォーアフターを写真に納めて提出してもらうようにしましょう。

これにより施工が手抜きなしで行われた確認ができるからです。

他にも、一軒家の場合のみですが毎日の工事の終わりに作業報告をする業者は優良な可能性が高いと考えられます。

追加対応についても相談に乗るのか確認する

追加でやってほしい場所や、打ち合わせ時に伝え忘れていた場所を相談したい時に、施工が必要か現場を見ながら決めてくれる業者を選びましょう。

ベランダの防水塗料の乾燥時間は2時間〜1日が目安

ポイント

ベランダの防水材の乾燥時間はさまざまな要素で変わるため、カタログはあくまでも目安でしかありません。

防水材が固まるまで作業は止まりますが、焦ったり慌てたりしてベランダに入ってもいいことはありません。

ベランダに入る場合は、しっかりと乾燥時間を確認してからにしましょう。

「どうしてもベランダで洗濯物を干したい!」

その場合もうかつに入ってしまうと工事が長引いてしまったり、仕上がりが悪くなってしまったりするため、少しのあいだ我慢することがオススメです。

防水塗装の仕組みについてもっと知りたい場合は「【プロが解説】ベランダの防水塗装の仕組みや種類、工事のタイミング、施工手順を徹底解説!」もご覧ください。